たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

緑黄色社会のサマータイムピンクブルー in 広島

緑黄色社会のツアー広島公演に行ってきました!

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武道館ワンマンに紅白出場と、完全に売れるところまで売れてしまったリョクシャカ、新しいアルバム「pink blue」のツアー。先行でチケットを確保できた。曲はずっと聴いているしテレビでも当たり前のように観るようになったのであまり久しい感じがしないが、ワンマンを観るのは2019年のリョクシャ化計画以来である。3,4年でリョクシャ化進行しすぎだろ。

会場は上野学園ホール先月のユニゾン以来ちょうど1ヶ月ぶり。前も書いたけど新白島駅からすぐで仕事帰りでも行きやすい。入場すると、ステージは「pink blue」と映し出された垂れ幕に覆われていた。開演前と終演後は撮影OKとの場内アナウンスがあったのでありがたく撮影。

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座席は1階席の真ん中ぐらい、ユニゾンの時よりも通路を挟んでさらに前方で比較的近かった。

定刻になるとゆっくり照明が落ち、拍手の中開演した。ピンクとブルーのライトで鮮やかに垂れ幕が照らされ、向こう側にいるメンバーのシルエットが映し出されると歓声が起こる。自分の隣の席がお母さんと来ていると思しき小学生ぐらいの女の子だったんだが、「すごーい!きれい!」と純粋な感想を漏らしていた。そのまま育ってくれと思った。

1曲目、アルバムと同じオープニングを飾る "ピンクブルー" のイントロが始まると同時に垂れ幕が落とされ、メンバーが登場。大歓声と共に始まった。

MVでは晴子氏がアンニュイな振る舞いで踊っているが、ライブではイントロでシンセを演奏。あのシンセリフがpeppeでなく晴子氏のものだったとは。間奏でシンセ、歌ではスタンドマイクと使い分ける晴子氏がカッコよかった。

そのままスタンドマイクで "さもなくば誰がやる" へと。アルバムと同じような流れで進めていくかと思いきや、終盤に収録されている曲をいきなり投下してきた。洒落た低音がフックになる "ピンクブルー" から一転、伸びやかで力強い歌声をホールに響かせた。

続いて、スタンドからマイクを外して前に出てくると「広島、セミファイナルじゃけぇ!ぶち盛り上がっていきんさい!」と広島弁を交えた挨拶で盛り上げ、軽快な裏打ちの手拍子を誘う "DON!!" へと繋げた。ステージ後方のスクリーンにポップな映像も流れ、リョクシャカらしい明るさが一気に噴き出した。大サビ前には『変わる世界が見たいですか?』で晴子氏が元気よく客席に投げかけ、音源のエフェクトを超える歓声が上がった。昨年11月のお気に入りソングでも挙げたけど、やっぱ好きだなこの曲。

Don!!

Don!!

客席を温めたところで、シンガロングが特徴的な過去曲 "あのころ見た光"。「3年分の声聞かせて!」と煽る晴子氏に応えて、全力の「ラララ」がホールに響いた。演奏面では、真吾くんの激しく暴れる弾き方が印象的だったな。あんなにスラップ激しかったっけこの曲。

一旦暗転してメンバーが機材をスタンバイ。暗がりの中でメンバーの名を呼ぶヤジが飛び交う。「愛してるよー!」と叫んだ女性に対して「俺も愛してるよー!」と返した男性がいて爆笑が起こった笑 再び照明がつくと、晴子氏も「もっとやって!愛してる合戦もっと聞きたい笑」とご機嫌。そのままMCに入り、3年ぶりの制限のないライブを噛み締めつつ「一緒に歌ってほしいところは私たちから提示するし、それ以外のところも自由に楽しんでください」と述べた。

「夏を始めましょう、新曲です!」と前置いて、解禁されたばかりの "サマータイムシンデレラ" を披露。主題歌になっている月9ドラマ「真夏のシンデレラ」が今週始まったばかりで非常にタイムリーだが、これまでの公演では演っておらずこの日が初披露だったようだ。広島ツイてる。

爽やかな夏ソングで空気を浄化し、続いては一転、"湿気っている" "結証" と力強くしっとり歌い上げるバラードを2曲。先の3年ぶりの声出しに関するMCを聞いた後では、"湿気っている" の『数年経って意味が追いついた』『数年分の意味を込めたんだ』というフレーズがまた違って聴こえてくる。

照明が落ち、暗がりの中をステージ前方に出てくる晴子氏。スポットライトに照らされると大きく息を吸い込み、『今なんじゃない?』の瞬間に歓声が起こった。ここで "Mela!" が来ました。「歌始まりの曲…!何が来る…?」と身構えたが、最大の代表曲をまさかこんな中盤で持ってくるとは。Cメロ前にはメンバー紹介を兼ねた各楽器隊のソロもあり、ただのバズソングでなくライブで魅せるアンセムとして成熟している。無敵だった。

"Mela!" で会場の熱気が最大になったところで、ここで初めてメンバー全員喋るMC。初めに、広島ということでpeppeがカープに言及し、メンバーと母校が同じという堂林選手の名前を出して盛り上がる。僕は野球は分かりませんが。客席にカープのタオルを掲げている人がいたらしく、晴子氏とpeppeが「それめっちゃいいね!」と触れていた。壱誓くんの「今すぐ緑黄色社会のタオルに変えてくださーい」は笑ったけどw

真吾くんは「色んなところから来てくれてるのかなと」「中国地方に絞って」と、観客にどこから来た人かを尋ねるくだりを。当然ながらまず広島が圧倒的多数、次いで山口と岡山もかなりの人数。鳥取もちらほらいてすごいなーと。そしてラス1の島根がパッと出てこなかった真吾くん笑 一方で、「愛媛も聞いてー!!」と激しいヤジが飛び、真吾くんが「じゃあ愛媛の人!」と返してその人本人が元気よく「はーーーい!!!」と手を挙げるくだりも面白かった笑 コールアンドレスポンスの自作自演w

壱誓くんは「みんなで『pink blue tour 2023』って言ってほしいんだよね」と提案。この日は指定席ソールドアウトだったが、わずかに立ち見席が開放されていたということで、下記のように担当を振り分ける。

2階立ち見席→「ピンク」
1階立ち見席→「ブルー」
2階席→「ツアー」
1階席→「2023」

自分は1階席なので2023担当。立ち見席勢が人数的には圧倒的少数。晴子氏がマイクにギリ拾われる程度の声で「すっくない…w」て漏らすぐらいには少数。笑 しかし指定席勢に負けず劣らずの勢いで凄かった。

一方、2階席はノリのいい男性が「2階席行くぞーーー!!」と吠えて周囲が「うぉおおおおお!!!」と続くという一致団結っぷりww つられて1階席もリーダー格が乱立するカオスな状態。こんなにうるせぇ客席(褒めてる)見たことねぇ。最高だった。素敵なファンに囲まれてんな、リョクシャカ。

最終的に、分担通りに会場が一つとなって「ピンクブルーツアー2023!!」を揃えたところで拍手の中MC終了。「呼吸が一つになったところで、曲いきましょうか」と壱誓くんが締めた。

MC明け一発目は「pink blue」から "あうん"。「呼吸が一つになったところで」という前置きで個人的には予想がついた。実際に意識しての曲振りだったのか否かは知らないが。晴子氏と壱誓くんの掛け合いが特徴的なこの曲、映像にも歌詞が流れ、男女の会話をなぞるような柔らかい雰囲気に包まれた。ただ、歌詞が出るからこそ分かってしまうのだが壱誓くん歌詞間違えたな?笑

しっとりパートは続き、「pink blue」の中で最初にリリースされたリードトラック "うそつき" へ。晴子氏が "ピンクブルー" で弾いてみせたシンセを再び奏でた。イントロのあの優しいフレーズ、晴子氏だったんだ。こちらもスクリーンに手書きの歌詞が映し出された。また、原曲はフェードアウトなのでアウトロのアレンジもライブの見どころの一つ。

続いては "大人ごっこ" をアレンジバージョンで。アコースティックセットでも映えそうな、シックな曲調に。真吾くんも最初座ってベースを弾いたりと、この日一番大人なリョクシャカを観られた気がする。ごっこじゃない大人なリョクシャカ。

ここからラストスパート。ステージいっぱいに映像と照明で星空が生まれた "Starry Drama" に始まり、"Shout Baby" "始まりの歌" と代表曲も投下しギアを上げていく。

"始まりの歌" の『ララルラ』の合唱は凄まじかった。自分としてはとても感慨深い気持ちになった。3年前、コロナ禍に入って初めて観たアーティストが緑黄色社会だったから。

"始まりの歌" を終えた後、当然声なんて出せない中での止まない拍手に、晴子氏が感極まる場面があったのを思い出したんだよな。そんな歌で今、客席が一つになって一緒に歌えているという状況が尊いなと。

壱誓くんが間奏で下手側に行ってギターソロを弾いて見せた後、Cメロのコーラス間に合わなかったの笑っちゃったけどww そんな底抜けに明るい雰囲気を一気に作ってしまう力を持った曲でもある。

そして満を持して "キャラクター"。晴子氏が歌いながらステージ上を駆け巡り、peppeのキーボードの鍵盤をがむしゃらに弾いたり、真吾くんを引き連れて修さんのシンバルを叩いたりと自由な振る舞いを。さらに間奏ではMV同様に真吾くんと壱誓くんがステップを踏んで踊って見せたりと、一曲の中に要素が詰め込まれすぎている。改めて、 "Mela!" に勝るとも劣らないアンセムになったなぁと思う。

本編最後はアルバムのラストと同じ "Slow dance"。再びピンクとブルーの大人びた照明に彩られながら妖艶に演奏する5人の姿を観て、「ピンクブルー」の世界観を余すところなく表現し切ったライブだったなと感じた。

曲に入る前の「二次元でもAIでもない生のライブ。ここにいる皆としか作れないライブがある」と力強く話す晴子氏が印象に残っている。拍手を受けるだけで感極まったあの野音から、ずっと続いてきたものがあったのだと思う。コロナ禍を経て、客の姿が見えないオンラインライブ、客の声が聞こえない有観客ライブ、それらを経験したからこそ噛み締められる3年ぶりの今があるんだなと改めて感じた。良いライブだった。

 

アンコールは真吾くんもとい真吾先生の物販コーナーから始まった。EDM調のBGMに合わせてラッパーのような格好をした真吾くん…ゲフンゲフン真吾先生が登場。客席の間の通路を練り歩いた後にステージに上がってグッズを紹介した。学校の授業のように「起立!礼!よろしくお願いします!」の挨拶を挟むしっかりした先生設定。観ない間にめちゃくちゃ完成度上がっちまってるな真吾先生。4年前に観た時は晴子氏に「彼はあんまりMCが得意じゃないのでワンマンの時にはいつもやらせてるんだけど今日はいい感じだった」とか言われてたのに、成長してしまったもんだ。まぁ後ろでひっそり再登場した残りのメンバーは変わらずめっちゃ笑ってたけど笑

アンコール一発目は、「陽はまた昇るから」のカップリング曲 "時のいたずら"。武道館公演の発表を兼ねたMVが公開された曲である。

「9月に日本武道館でライブをしたけど、その段階ではまだ叶わなかった」と晴子氏が説明した、曲中の合唱をこの場で実現させた。実は自分はこのシングルを持っておらずあまり聴き込めていなかったので上手く一緒に歌えなかったが、スクリーンに歌詞が映し出されたので何とかついていくことが出来た。またCD買おう。

そして最後の最後は "sabotage"。"Mela!" を皮切りに多くの大ヒット曲を生み出すようになった今でも、自分が年間ベストに選んだこの曲がラストナンバーに持ってこられているのが嬉しい。やっぱり好きだなぁ。

演奏が終わり、21時ちょうど。測ったかのように2時間ぴったり。最後に月9主題歌とアリーナツアーを改めて告知した後に「高松に行ってきます!!」と続くファイナル公演への意気込みを見せ、拍手と歓声が鳴り止まない中を帰っていった。

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物販で最後にラグマットを購入。リョクシャカはTシャツもタオルもラババンも持ってるから今回のツアーグッズはいいや〜お金浮くわ〜と思ってたのにラグマットが可愛かった。くそう。

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触り心地最高です。大事に使おう。

 

以上!!

この2日後にファイナルの高松公演があり、pink blue tourは完遂された。今回、アルバムツアーにも関わらず「pink blue」の曲でも演ってないのが結構あるなと思っていたのだが、他の公演のセトリを見てると結構な曲数が日替わりだったようだ。シングル曲の "陽はまた昇るから" も "ミチヲユケ" も外してきたの度胸がすげぇなと思ってたもん。他のとこでは演ってたのね。今回聴けなかった曲もまた聴きに行きたいな。

それにしても規模、楽曲、演奏、演出、MC、全てのクオリティが上がってて素晴らしいライブだった。まだまだリョクシャカの快進撃は止まらないんだろうなと思う。これからも突き進んでほしい。アリーナツアー応援してます!

では(=゚ω゚)ノ

 

緑黄色社会 pink blue tour 2023

2023.7.14 広島上野学園ホール

セットリスト

01. ピンクブルー
02. さもなくば誰がやる
03. DON!!
04. あのころ見た光
05. サマータイムシンデレラ
06. 湿気っている
07. 結証
08. Mela!
09. あうん
10. うそつき
11. 大人ごっこ
12. Starry Drama
13. Shout Baby
14. 始まりの歌
15. キャラクター
16. Slow dance

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