たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

半年ぶりのライブレポをLAMP IN TERRENと緑黄色社会のツーマンで書ける幸せ

コロナ禍での初のライブ!

半年ぶりのライブ!

MORNING RIVER SUMMIT 2020

緑黄色社会 × LAMP IN TERREN

行ってきました!!!

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台風10号の影響で開催されるか怪しいのではないかと当初思っており、先日の記事ではクッソやさぐれてしまっていたが、台風がほとんど曲がってこず、無事に開催。九州には直撃しているので手放しに喜ぶことはできないが。

とは言え多少の影響は出ており、雨天は逃れられなかった。今回の会場・大阪城野外音楽堂の最寄駅である森ノ宮駅に着いて飲み物買って歩き始めた途端に降ってきて泣きそうになった。駅に着いた瞬間ならまだしも俺が一旦売店寄ってから外に出た瞬間よ。帰った方がいいのかと思った。

歩くにつれ雨は激しくなり、入場口に着いた時にはマジの土砂降り。風も吹いてきた。舐めてたなと思いつつ物販でレインコートを買い、感染対策の諸々の手続きを終えて入場。なお、この時ほどの土砂降りはこれ以降なかった。この時だけだった。よかった。俺が駅から歩いてる間だけだった。よか…うん…よかった。

手続きが多いため入場に手間とった点もあったのか、スタートは10分強遅れていた。最初に主催者から挨拶があり、一番手の緑黄色社会からスタート。

 

 

緑黄色社会

紫陽花のような水色や薄紫基調の衣装で登場。各々がスタンバイし、晴子氏の「久しぶり。よろしくお願いします」の挨拶で新曲 "夏を生きる" からスタート。

半年ぶりに聴く生の声。生の音。緑黄色社会に限らない。半年ぶりのライブ。それだけで感極まりそうなのに、相変わらずの口から音源ですよ晴子氏。音源を聴いている感じは爽やかで聡明な唄だなという印象だったが、生で聴くと力強さを感じる。実際ドラムが意外とパワフルなんだなと思った。

この曲の時は客席はみんな座っており、端っこの方でちらほら立っている人がいた程度。感染対策のことを考えると、どこまで盛り上がっていいのか分かっていないのが正直なところ、と言った感じだった。

しかし、"夏を生きる" が終わり、晴子氏が「行くよリバサミーーー!!」と叫ぶと同時に "sabotage" のイントロのピアノが鳴ると、『立つぐらいならいいの?』『手あげるのはオッケー?』と周りの様子を見ながらという感じではありつつも観客全員が一斉に立ち上がった。

ここで一気に「ライブ感」が湧いてきた気がして鳥肌が止まらなかった。名前を挙げるたびに言ってるが "sabotage" は個人的に2019年最も気に入った曲。その曲で半年ぶりの「ライブ感」を得られたのは本当に嬉しい。ラババンを嵌めた腕を挙げられるのが幸せだった。

続いて盤のリリースが延期になっていたアルバム「SINGALONG」から "スカーレット" をこれまた楽しく演ったところで、ここで晴子氏が改めて挨拶。緑黄色社会としても有観客のライブは久しく、「1月からお客さんの前でライブできてなくて…」と言ったところで感極まる晴子氏。「ごめんね、」と言って空を仰ぐ姿に温かい拍手が起こる。今までなら「頑張れ!」などの声援も届けられたやろうけど、このご時世ではそれもできないのがもどかしい。

あと晴子氏喋ってる時のギターの柄を抱きしめるような持ち方可愛い…笑

「この時間を噛み締めたいと思います」と続けてタイトルコールされたのは "幸せ"。この曲はイントロのシンセを晴子氏が弾く構成だったが、今回はpeppeが担当。逆に言うと晴子氏の傍らにシンセがなかったので、この曲は予想がつかなかった。

peppeと言うと、この曲結構peppeの低音ハモリが効いてたんだなって初めて気づいた。ライブハウスでの音響では分からない発見もある。

続いて電子ドラムの音も響くダークな世界観のアルバム曲 "inori" を演ったあと、ここでがっつりMCタイム。

LAMP IN TERRENとのツーマンは、テレンのツアーの対バンで呼ばれて以来2,3年ぶりとのこと。長野だったらしい。久々にライブが出来ることやテレンと共演できたことに対して「雨よりも嬉しさが勝ってる」と噛みしめつつも「風邪だけひかないでね」と観客を気遣うメンバー。これに対して観客はやはり拍手しか返せないが、

長屋「そっか、声出せないんだよね」
小林「一瞬配信なのかと思った笑」
穴見「マスクの下で笑ってくれてると信じて。。。」
長屋「めっちゃ変顔してるかもよ笑」

と微笑ましいやりとりにほっこり。

MC明け、タイトルコールでさすがに歓声が漏れるのが分かった "Mela!"、さらに "Shout Baby" と、1000万再生を突破した曲を連続で投下。間違いなくツートップのアンセムになったこの2曲も、観客を入れたライブで披露するのは初とのことで、いかにこのコロナ禍がライブの出来ない世界をもたらしたか、しかしその中でいかにリョクシャカが上手くwithコロナして急成長したかを思い知る。

"Mela!" はホーン隊はもちろんいなかったが楽曲の華やかさは変わらず、この日初めてハンドマイクに持ち替えた晴子氏に合わせて観客もいっぱいいっぱいに手を左右に振る。"Shout Baby" はイントロのキーボードが印象強いけど、同じメロディラインをリードギターでもなぞっていた事をこの日初めて知った。というか、全体的にリードギターの音大きくなかったかな?自分が上手側だったからよく聴こえただけかな。

続いて一誓くんが「みんなに一番会いたがってる曲を連れてきました!」と叫んで始まったのは "Brand New World"。生で聴くとフロアタムとバスドラのドコドコ感が強く残る壮大な曲で、バンドのスケールが大きくなってるのを実感する。

Brand New World

Brand New World

からの、ここまでは「SINGALONG」収録の新しい曲を演ってきたが、満を辞して "始まりの歌"。天気も小雨になり、わずかに日も差してきて「晴れてきたんじゃない??」と笑う晴子氏に続いて一誓くんも「大阪ーーー!!」とシャウト。サビの「ララルラ」のところも、これまでのライブなら観客に歌わせ、一誓くんと真吾くんのハモリだけが響くのが恒例だったが、観客に歌ってもらうことができない今回は晴子氏がしっかり主旋律を歌った。2Bの『飛び込んだ世界に雨が降り続いても ただ信じ続けていればいい』のところで、日が照って明るくなりながらも雨が降り続く空を晴子氏が仰いだんだが、歌詞と天候がマッチしすぎてて鳥肌がすごいことになった。

"始まりの歌" が終わった後の拍手はもうすごかった。本当に鳴り止む気配のない拍手を受けて、晴子氏号泣。顔を覆って「やめてよ〜…あと一曲残ってるのに…歌えないよ…」ともう普通に感動して泣く晴子氏。もらい泣きしそうになるオーディエンス。「代わりに歌おうか?」と突っ込んで笑いを掻っ攫う一誓くんw

しかし最後の曲ということでしっかり切り替える晴子氏。最後はやはり "またね" かなと思ったが、タイトルコールされたのは "想い人"。

この曲もまたラストナンバーとして定着しつつある。"sabotage" 以降の伸びが驚異的すぎて置いていかれがちだが、その直前にMVを公開したこの "想い人" も、先の "幸せ" も着実に再生回数を伸ばして100万突破した。もう、勢いは止まらない。

直前まで泣いてたとは思えない安定感のある歌だった。サビの裏声まで完璧。泣いててもここまで歌える時点で口から音源どころか音源を超越している。

最後の「また会おうね、約束だよ。緑黄色社会でした」が美しすぎたな。1月だったという最後のライブで言った「また会おうね」から長かっただろう。きっと全く違う意味を孕んだ「また会おうね」だったと思います。こちらこそまた何度でもライブに行かせてください。

コロナが終わったら、大阪城野音なんてワンマンで軽く埋めてしまうほどになるんじゃないだろうか。もうなってるんじゃないだろうか。これからどこまでも大きくなってほしい。本当にこの日観に来られてよかった。

 

セットリスト

01. 夏を生きる
02. sabotage
03. スカーレット
04. 幸せ
05. inori
06. Mela!
07. Shout Baby
08. Brand New World
09. 始まりの歌
10. 想い人

 

 

LAMP IN TERREN

緑黄色社会の入りが10分以上押していたためリハを巻いたのか、5分程度の遅延で開始。メンバーがそれぞれ楽器をスタンバイし、シンバルのカウントから始まった1曲目は "Enchanté"。

まぁ鳥肌ですわな。2020年上半期に滑り込みでめちゃくちゃ気に入った曲。今でもずっと聴いてる。MVは大さんのソロ映像だから、バンドが演奏する姿を観るのは初めて。18時を過ぎ、薄暗くなってきたあの雰囲気の中照明に照らされるLAMP IN TERRENが奏でるこの曲はカッコよすぎた。

あとCメロ終わりで大さんがギターのカポをパッと外してその場に落としてそのまま転調した大サビに入るのがかっこよすぎて鳥肌止まらんかった。『またお互いに手を伸ばすみたいに』のところ音源でも鳥肌立たずに聴けたことなかったのに生で聴いたらそらヤバいやろ。

"Enchanté" が終わるとそのまま余韻を残さず同期音が流れ、大さんがギターを置いて "Water Lily" へ。この曲はほんとに大さんがステージ上を自在に動き回るイメージ。

「久々のライブなんで我々も精一杯楽しもうと思う、君たちを置いていく勢いで楽しませてもらいます!制限のある中でどこまで良いと言って良いのか分かんないけど、昂ぶった結果なら何でも良いんじゃないかと思ってます!!」と高らかに宣言する大さん。ライブができる喜びを噛み締めて精一杯オーディエンスに届けようとする緑黄色社会とは対照的に、オーディエンスを巻き込みつつも自分たちがとにかく楽しもうとするスタンスが見て取れた。

その後大さんがドラムセットのすぐそばまで歩いて行ったところで初めて、キーボードが置いてあったことに気づいた。大さんがキーボード前の椅子に座り、Dr. ダイキさんとアイコンタクトでカウントをとって始めたのは、大さんがキーボードを弾き語る "花と詩人"。下手側を向いて歌っていたから、上手側で観ていた自分からはほぼ大さんの後ろ姿しか見えなかったが、それがまたカッコよかった。

ここまでの3曲はどちらかというとテレンの中でも美しさや優しさを推している曲。しかしこの後の "New Clothes" を皮切りに雰囲気が変わった。途中で「一応喋るか」とMCを挟もうとするも、先述の緑黄色社会との過去の対バンについて再度触れたぐらいで、「アルバム制作中につき話すことないです、話したいことはあるんだけど話せないです。どんどん曲演ります!」とバッサリ。

19時になる頃だったのかな。9月なのでもうこの時間帯になるとかなり暗い。まだ空が明るかった前半の3曲から空気を変え、夜の部とでも言うようにテレンのダークサイドが顔を出す。

イントロのギターからして「ヤバさ」がある "凡人ダグ"。"New Clothes" の熱量をそのまま引きずり、更に引き出し、まさに狂ったような演奏。大サビ転調した後のがなり声ヤバすぎる。この曲は完全にライブで聴いて圧倒されないといけない曲。生で聴いたらもう音源聴けない。

続く "innocence" は照明がクッソカッコよかったな。暗いステージを照らす赤青紫の光。この曲は野外フェスの明るいステージじゃなくて夜の暗闇の中で演る方が雰囲気が出る。

続く "ホワイトライクミー" はなんか、前半の美しさパートとここまでのカッコよさパートを上手くまとめたような世界観が出来上がってた気がする。サビというサビまでが非常に長く、その分一気に爆発させるような構成はメジャーデビュー作の "緑閃光" が浮かばなくもない。

ダークサイドパートが終わり、大さんがスタンドマイクをステージ前ギリギリまで動かし、観客席に近づけてきた。「みんなのところへはいけないんで…まぁ来られても迷惑かも知らんけど。少しでも近くで。」と。

緑黄色社会晴子氏はMCで久々にライブが出来る喜びを一心に伝えていたが、このコロナ禍の世の中そのものには触れなかった。一方で、大さんはコロナによって変わった新しい日常についても臆せず言及。「今この世界を楽しむしかない、嫌だけどこれはこれで楽しむしかない、これが新しいいつものこととして、嫌だけど、こんな日常も今だけならいいんじゃないかなと思う」と、満足にライブができない状況を憎みつつも受け入れる姿を提示し、"いつものこと" へ。

コロナ禍の現状について語った後に歌った歌で『そんな僕の日常 ね、綺麗でしょう』で締めるのは粋すぎる。これが数分前までダークサイド晒して暴れてたバンドですよ。ほんま多才。

スタンドマイクを元の位置に戻し、ギターを下ろし、鳴り始めた同期音で会場が沸くのが分かった。歓声こそないのに、みんなのテンションが上がるのが分かった。ラストナンバーは "地球儀"。今までなら大さんが客席に降りてきて観客とわちゃわちゃになる曲だ。もちろん今回はそれはできない。だから、ただただ自分一人で最後まで楽しみきるように、ステージ上を動き回る大さん。雨の降る中、飛んだり跳ねたり。

その結果、1サビですっ転ぶwww

怪我なくて良かったけどさすがにほっこりしたよ。そんだけ夢中になって歌ってたってことだ。俺も大サビめちゃくちゃ飛び跳ねてしまったよ。半年ぶり補正なしで、最高のライブでした。


アンコールではテレンのメンバーが再度登場し、大さんが「せっかくだから晴子と歌おうかな!」と宣言。ここまでずっと押さえつけられてきた歓声がついに上がった。その後のテレンメンバーの

松本「晴子ってアレだな、晴子ちゃんって言うか」
大屋「そうだぞ、馴れ馴れしいぞ」
中原「多分モヤモヤしてる男のお客さんいっぱいいるぞ」

のやりとり面白かった笑 んー、晴子氏じゃなくてpeppeだったらモヤモヤしたかも知れないです← てかpeppeって名前何て言うんやろ。公開してんのかな。

結局「それでは登場していただきましょう、緑黄色社会の晴子さんです!」とさん付けで呼ばれて登場した晴子氏は、リョクシャカのステージの時とは対照的な臙脂色のクールな衣装。何着ても映えすぎだろ。ダイキさんがそわそわしてたの面白かったw 中原さん曰く「めっちゃ美人な保健室の先生来た時みたい」笑

そんなわちゃわちゃしたくだりを終え、初のコラボ曲は "BABY STEP"。

もう鳥肌が全然自粛しない。晴子氏が歌うと厳かすぎてヤバい。Bメロは流石に低くて歌いにくそうだったし、2番のAメロは大さんに被せて1オクターブ上で歌ってたけど、なんせ男女混声でテレンの歌を聴くのなんかもちろん初めてだから貴重な機会だった。大サビが終わって一番最後に「ウォオオオオ」て吠えるところ、晴子氏まさかの音変えてハモってたからな。歌唱力に脱帽です。

アンコールはこの一曲だけ。でも、この一曲だけで良かったと思う。このコラボを超える演奏がこの日出てくる気がしない。

キラキラした曲も、バラードも、骨太な曲も、全てやり遂げるテレンが本当に素晴らしい。テレンの魅力を全て詰め込んだステージだった。正直、緑黄色社会目当ての人の方が多かっただろう。でも、その人たちを取り込むことが出来ていたであろう最高のライブでした。本当にこの日観に来られてよかった。

 

セットリスト

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かくして半年ぶりのライブが終わった。もう、本当に最高だった。先述のやさぐれ記事にも書いてる通り、本当にホットで推してる2組。久しぶりと言ってもコロナが終わったわけじゃないけど、それはそれで「コロナ禍初のライブ」がこの2組で本当に嬉しかった。そしてコロナが終わってもずっと好きでいられるバンドだなと思う。この2組について書けることが幸せでした。

そういえば、帰り、同じ会場に来ていたフォロワーさん、というか有名なブロガーさんにご挨拶できました。ご飯もご一緒させていただいて。ありがとうございました。その点でもほんといい日でした。

次のライブがいつの誰のかは分からないけど、またライブにいっぱい行ける日々が帰ってきてほしい!個人的にその大きな一歩目になった!本当に楽しかった!ありがとうございました!!!

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では(=゚ω゚)ノ

 

 

 

 

 

この後新幹線で帰ってきて広島駅のトイレに家の鍵入ってるショルダーバッグ置き忘れて在来線乗り換えてしまって気づいた時にはもう終電なかったから先輩の家に泊めてもらって一晩凌いだものの翌日バッグは届けられてる事は確認できたのに台風で電車止まってて取りに行けないから不動産屋に電話して風が吹き荒れる中を外で4時間待ってから開けてもらってようやく家に帰れたのもいい思い出です。はよ広島駅に取りに行かな。