eo Music Try。関西のインディーズアーティストが集う、関西では有名な毎年恒例のコンテストである。過去にはヤバいTシャツ屋さん、感覚ピエロ、ハンブレッダーズ、パノラマパナマタウン、ナードマグネット、OKOJOの前身のさしすせそズなど名だたるバンドが賞を獲っている。
自分はこれまでの大会では、結果を見て「誰々が優勝したんだね〜」と認知するぐらいでしか気にかけていなかったが、今回は違った。初めてリアルタイムで決勝ライブの結果を見届けた。
以前も紹介した、Subway Daydreamが出場するからである。
コロナ禍の影響で決勝ライブが配信されると言うのもあって、今回は投票権を持たない人もライブを観られるハードルが非常に低かった。というわけで2/6の夕方からテレビに張り付いてました。
(ひょっとしたらこれまでの大会でも配信もしてたのかも知れん。例年の形式全然知らないですごめんなさい)
で、結果としてはSubway Daydream準グランプリ!!おめでとう!!テレビの前で叫びました。嬉しかった。
なんだけども、他のアーティストもみんなすごかった。グランプリを獲った(夜と)SAMPOも勿論ながら。やっぱりみんな一聴して耳に残るフックがあるというか。さすが1200組以上の中から勝ち進んできていただけある。
というわけで、決勝ライブを戦った7アーティストをもっと知りたいと思い、曲をちゃんと聴いてみました。結論、まぁどれもよかった。さすがすぎる。今回は彼らについて決勝ライブの感想も交えつつ語っていこうと思う。
せっかくなので、決勝ライブの演奏順に。
Ochunism
今回の出場者の中では唯一、10万再生超えのMVを擁するバンド。更に別コンテストで既にグランプリ獲得経験があるというチート案件。トップバッターでこんなんかまされて、後続の6組はマジでキツかったと思う。
初っ端からオシャレすぎて引いた。ジャンル不特定と自称しているがブレているというわけではなく、全部モノにしていて本当に手広い。しっかりトレンドを掴むアンテナとちゃんとしたルーツが根底にあれば大学生でもこんな事できる時代なんだなと。
今回のメンツの中では一番、「もう売れてる」範疇だと思う。特に受賞はなかったが、もうそこで足踏みしてる段階のバンドじゃなさそうだ。
電子てろてろ
Subway Daydreamの音源目当てついでにHOLIDAY RECORDSのチャンネルを漁ってた時に、名前が気になってちょっとだけ聴いていたバンド。正直その時はピンと来なかったんだけど、今回観て一気に引き込まれた。
この体制で女の子のドラムボーカルって面白すぎる。この吸い込まれるようなゆったり感、透き通った声が良い。リズムパターンも、ドラムボーカルということもあって複雑なことが難しいのを利用してなのか、いい意味で単調で凝ってなくて、素直に歌が伝わってくる。余計な事いらない。この浮遊感が素晴らしい。
パフォーマンス後のインタビューで、ボーカルの女の子のトークが緊張からか性格なのか辿々しかったのも、逆に微笑ましかったしバンドのキャラに合ってた。スレずにこのまま育ってほしい。
調べたけどまだMVがないんだな。何ならアー写すらないんだな。このご時世でも集まって写真ぐらい撮れるだろ。早く演奏シーンを色んな人に観てもらいたいバンド。何なら音源よりも生で浴びたい音楽です。
あと「電子てろてろ」のイントネーションが想像と違いました。
(夜と)SAMPO
今回グランプリを獲ったバンド。出番前の紹介VTRで元ハンブレッダーズの吉野エクスプロージョンが在籍する事を聞いて「そうなんや!」と叫んでしまった。
ひたすらポップさで殴りかかってくる感じ。シンセの音色がすごく好きなタイプだ。色んな曲調があるけど全部好き。グランプリも納得のキャッチーさ。音源を聴くと声はYUKIに似てる。
女性ボーカルが男性楽器隊を従えて暴れ回る感じ、グループとしてのビジュアルも映える。「バンドに集中してやっていく選択肢はない」とハンブレッダーズを降りた吉野が「社会人と並行してやっていく」と誓って始めたバンド。どこまでやってくれるか楽しみです。
shandy Wz
ポッキー賞と特別賞をW受賞した、今回の中で1番の歌モノ正統派ギターロックバンド。名前の中で「W」だけ大文字なのは縁を感じる。
まぁ声が独特。ア段の音の伸ばし方が独特。引き込まれるものがある。しかしその分、ちょっと曲調を選びそうな声だなとパフォーマンスを観ていた時は正直思ったが、改めて音源を聴くとキャッチーさにやられた。他の曲も聴いていると楽しくなってくる。
こういうポップで軽快な曲も良い。
シンプルなスリーピースやけどアレンジが厚くて完成度高いし、ビジュアルも良い。この知名度に留まってて許されるクオリティじゃない。ポッキー食べてこれからも頑張ってほしい。
木下優真
今回の決勝メンバーの中で唯一のソロアーティスト。メロディが一番良かったのは彼かな。この "ダイバー" も "おやすみヒーロー" も、サビがストレートに響いてくる。アクセントを置くところには印象強い押韻があったりと、押さえるところはきっちり押さえ、耳に残るポイントを仕掛けてあって強い。
伸ばして張った声が誰かに似てるなと思ったらGLAYだ。懐かしさを感じるのは曲の暖かさに加えてそういうところからも来ているのかな。
一方で、SHE'SやVaundy、マカロニえんぴつなどのカバー動画もアップしており、今時のシンガーだなとも思う。
幅広い層に響きそうなシンガーである。
ステエションズ
電子てろてろと同じ系統のゆったりオシャレポップかと思ったが、全く違った。一癖も二癖もあるとはこのこと。7組もいたら1組ぐらいは欲しいなと思ってた狂気をしっかり孕んでいた。一番尖ってたんじゃないかな。
パフォーマンスも凄かったが、その後音源を一通り聴いてさらに印象が変わった。なんであの音源からあのライブになるのか理解が追いつかない。R&Bやブラックの要素も押さえてて深いところで幅が広いというか。これ今後売れてアレンジ凝れるようになったらえげつない化け方する気がする。
あとYouTubeには謎のインスト音源が何曲かあったんやけどこれは本当に彼女たちか?雰囲気も違う気がするんだが。
公式サイトを調べても分からなかった。もしインスト作品集も配信してるとかだとしたらそれはそれでマジで強すぎるわ。
誰か知ってたら教えてください。
Subway Daydream
まさかトリになるとは思わなかった。でもトリが一番似合ったアーティストじゃないかなと思った。最後の "FREEWAY" の疾走感が最高でしたね。
メンバーみんなでグラサンかけて楽しげに跳ね回る姿が若々しくてめちゃくちゃよかった。インディーズのコンテストで評価されるアーティストってこんなんでいいんだよなって。トリで盛り上げてバッチリ締められたというのも、受賞に繋がったんじゃないかなと思う。
他にもまだ音源のない "Canna" が聴けてよかったし、一方で唯一のMV曲である "Timeless Melody" 外してきたのはびっくりした。攻めたな。
とりあえず本当におめでとう!
以上です!
決勝の結果自体はどうあれ、何より今回こうして良い7アーティストに触れることができて良かった。思うようにライブに行くことができない今、こういう出会いの場ってめっちゃ大事だなと思った。
これからもチェックしていきたいと思います。2021年はミナミホイールあったらいいなぁ。きっと今回のメンツもみんな出てくると思うので、ぜひとも生で拝みに行きたいです。
気になったアーティストいればぜひ!
では(=゚ω゚)ノ