たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

感覚ピエロとヒトリエの対バンに行ってきた。

行ってきました。感覚ピエロの全国ツアー、奈良公演。対バンはヒトリエ

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ご存知の通り、ヒトリエはボーカルのwowakaが4月に逝去している。ヒトリエの出演はキャンセルされている。

それでも感エロは演ると言ってくれた。単にヒトリエが出演キャンセルになりました、というだけではなく、「ヒトリエの時間を借りてワンマンの形にする」と表明してくれた。

自分はwowakaの訃報の後にチケットを取ったけど、ちゃんと「対バン:ヒトリエ」の文字は残っていた。

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正直これだけでもう泣いた。会社帰りにコンビニ寄って発券して、確認がてら文字を見て泣きそうになって、家に着くまではと必死に我慢したのを覚えてます。

そんな今回のライブ、奇しくも地元奈良のライブハウスNEVERLANDで行われるということで、帰省して行ってきました。

 

ソールドはしてなかったけど、ほぼほぼ埋まってた。

結論から言うと、本当に最高のライブやった。

時間が長くなったと言うことで、初っ端は "ありあまるフェイク" "ARATA - ANATA" と新しい曲から始めたと思えば "Tonight Yeah! Yeah! Yeah!" といった過去アルバム曲も。バラエティに富んだセトリやった。

MCではヒトリエについて「ちょっと来れなくなったってことでね、彼らの時間を借りて演らせてもらいます」と挨拶。別に濁してるわけではなく、その後に「湿っぽく演るつもりは無くて」と言っていたように、彼らなりの気遣いやったんやと思う。それでも、その後みんな「感覚ピエロとヒトリエのツーマンに来てくれてありがとう」って何回も言ってくれたのがほんまに嬉しかった。ワンマンという言葉は一回も使わなかった。泣きそうになった。まだ堪えた。

とは言え、その流れで演奏された『もういいかい?もう一回、目を覚ましてよ』と歌う "雨ノチ、雨アガリ" の選曲は深読みしてしまったけども。

 

後半、"ハルカミライ" "A-Han!!" "拝啓、いつかの君へ" と代表曲を連発した後、改めてMCにて挨拶。その後横山さんがおもむろに弾き始めたギターを聴いて、どよめきが起こった。チューニングが笑うぐらい合ってなくて秒で中断したけど、みんなすぐに分かった。さすが今日の客は敏感。

ヒトリエの "青" だった。

マジかよ。期待してたけどここまで来たらもう演らんかと思ってたのに、ここでカバーかましてくんのかよ。

と思ったけど、いざチューニングし直してもう一度弾き始めたけど、歌い始めたら一小節でやっぱり中断。その時に横山さんがポロっと「やっぱリーダーみたいには出来ねーや」と笑ったのを聞いて泣きそうになった。結局カバーはしなかったけど、ここに来て再び触れてくれたのが嬉しくて泣きそうになった。まだ堪えた。

しかしここまでされて堪え切れなくなった人たちがいっぱいいたようで。横山さんが「泣ーくーなーってw こう見えて俺が一番堪えてんだよ」と茶化したのに対して、後ろの方で泣いてた女の子が「ありがとう」と漏らした。盛り上げるための野次で言ったんじゃなく、ぼろぼろ泣いてる中でギリギリ絞り出した「ありがとう」やった。

ここで泣いた。

何やねん結局泣くときはもらい泣きかよ俺。

その流れで演奏された最後の曲 "Just to tell you once again" はもうずっと泣きながら聴きました。歌詞がね、もうまんまなんだよ。収録アルバム「色色人色」リリース時のツアーも去年行ったけど、その時でも演らなかった。そんな曲をここで入れてくるのは、そういうことなんやと思ってる。

本編が終わってアンコール待ちの時にまとめて涙拭きました。

 

アンコールでは最初に横山さんが一人で出てきた。「やっぱさっきのすげー悔しいからリベンジさせて」と、再び "青" をカバーした。スマホを譜面台に立てて、恐らく歌詞を見ながら。しっかり見えるように、眼鏡までかけて。ワンコーラスやったけど、もう普通に泣いた。堪える気もなかった。もう堤防決壊してるんやもんそんなすぐに修復できるかい。

併せて、ここで初めてヒトリエへの思いを吐露。ヒトリエが "センスレス・ワンダー" をリリースした時、横山さんはまだ大学生だったとのこと。"センスレス・ワンダー" が5年前で、横山さん今27歳やから、当時22か。そんなもんやな。初めて聴いた時に、「自分が音楽でやりたいことを全部やってる」と思ったんだとさ。メジャーデビュー作でそう思わせてしまうヒトリエは、やっぱりえげつないバンドなんやなと改めて思った。

その後、サーキットフェスで初めて知り合い、ツアーで対バンもできる仲になった。だから今回も、結果として出演できなかったんだけど、出演すると決めてくれたことに本当に感謝したいと、ヒトリエへの感謝を述べた。

弾き語りカバーの余韻が抜ける暇もなく、周りからは嗚咽が聞こえてくる。

他のメンバーが改めて再登場し、「泣くようなバンドじゃない、最後は楽しく終わろう、アホみたいなこと叫んで終わろう!」といって、アンコールのラストナンバーはコールアンドレスポンスありありの "O・P・P・A・I" で盛り上がって終わった。

ほんまに、良いライブだった。

ここで終わると思った。

 

「色んな意味で特別というか、変わったライブでした。こんな日は滅多に無いと思います、そして、こんな日にライブに来てくれた皆さんは、本当に心から音楽を愛している人たちなんだと思います。これからも感覚ピエロもヒトリエもずっと愛してください」

横山さんがそう残してステージから捌け、全ての公演が終了した。アンコールも終わり、照明が元通りに点いて、普通なら会場にBGMが流れてみんなが退場する流れ。

流れ始めたのはヒトリエの "ポラリス" だった。

もちろんただのCD音源やけどさ。悲痛な歓声が上がった。誰も帰らなかった。みんな最後までwowakaの歌声を聴いた。何なら終わってからもまだ何かあるんじゃないかと期待してしばらく動かなかった。ボリュームの下がった感エロの曲が流れ始めて、これはもう普通に退場BGMやなと悟ってみんな帰り出したけど。

結局 "ポラリス" を聴いてる時もずっと泣いてました。涙腺枯れるわもう。あれは終演後のBGMじゃなく、セットリストの一部やと思ってる。感エロのメンバーにもその意図があったと思ってる。本当に、本当にありがとうございました。

 

 

ふと思ったんやけど、NEVERLANDってキャパ250程度の小さな箱やからチケットも取れないことが多くて、実は地元の割に行ったこと少ないんだよな。

つかそもそも何回行ってる?と思って調べてみたんやけど、意外にも今日が2回目でした。

…ということは、と思った。

1回目はヒトリエやったんです。2017年2月の「IKI」リリースツアー。ヒトリエを観るの自体が初めてやった。行ったことはもちろん覚えてたけど、NEVERLANDのライブってそれだけやったんか。それが他でもない地元。何なんやろうな。何の縁なんやろうな。

そういう点も含めて、本当に特別な一日になりました。もちろん、こんなこと起こらずにずっとwowakaの音楽を聴けることが一番やったんやけども。

ヒトリエがこれからどう活動していくのか分からんけど、今後いつヒトリエの音楽に触れても今日のことは思い出せる自信がある。人生単位で見ても忘れられないライブになると思いました。

感覚ピエロもヒトリエも、横山さんの言うように、いや言われなくても、ずっと応援し続けます。誓います。

 

 

さて、明日は大阪に緑黄色社会を観に行ってきます。対バンはネクライトーキー。楽しみや。

今日泣いた分、明日はいっぱい笑います。音楽の悲しみからは音楽で立ち直った。次からは音楽を全力で楽しんできます。

では(=゚ω゚)ノ

 

感覚ピエロ 5-6th anniversary 『LIVE RATION 2019』〜奮い立たせてなんぼでしょ〜

6/8 奈良NEVERLAND

セットリスト

ありあまるフェイク
疑問疑答
ARATA - ANATA
LET IT DIE -wake up-
Tonight Yeah! Yeah! Yeah!
加速エモーション
雨ノチ、雨アガリ
「君にしか聞こえない」
CRAZY GIRL
さよなら人色
曖-me-昧
Japanese-Pop-Music
CHALLENGER
ハルカミライ
A-Han!!
拝啓、いつかの君へ
Just to tell you once again

(en.)

青(ヒトリエカバー、弾き語りワンコーラス)
O・P・P・A・I

ポラリス(場内BGM)