たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

新生BIGMAMAにドキドキさせられっぱなしのハロウィンの夜

10月最初で最後のライブ!

BIGMAMAのワンマンに行ってきました!

f:id:tana-boon:20211031213309j:image

f:id:tana-boon:20211031213321j:image

2020年の2月、コロナ禍前に最後に行ったライブがBIGMAMAのワンマンだった。今は[Alexandros]のドラマーになった前ドラムのリアドが参加した最後のツアーとなった「Roclassick the Last」のツアー。

その後、サポートを経て新しく正式加入したドラマーBucket Banquet Bis、通称ビスたんが参加する新体制で初のツアーとなる今回。特別リリースがあったわけではないのでセトリも予想がつかない。

チケットが無駄になってしまったミナホのトラウマと、前売り券が電子チケットしかなかった事もあって当日券で参戦。失礼ながらソールドアウトする事はないだろうとは思っていたが、念のため当日券販売開始後すぐに会場のCLUB QUATTROに行って購入。

物販もこのタイミングに合わせて、色々購入。会場限定CD2枚と、タオルと、ラバーバンド。

f:id:tana-boon:20211102083057j:image

タオルは敢えて今ツアーのものではなくロックラシックのエンブレムタオル。やっぱりロックラシックというコンセプト自体が好きなのです。あとこの色合いのタオル持ってなかったし。

f:id:tana-boon:20211102083108j:image

逆にラババンはBIGMAMAで4つ目。何個買うねん笑

f:id:tana-boon:20211102083309j:image

f:id:tana-boon:20211102083315j:image

蓄光仕様です。こういうの軽率に買う。

 

BIGMAMAのワンマンと言えば開演前の注意事項のアナウンスが一つの名物。恐らく金井さんが自分で考えたであろう文章をクアトロのスタッフが読み上げる。「ハロウィンの夜をBIGMAMAと過ごしましょう!」という今ツアーの中でも確実にこの日にしかないであろう一文を添えて読み終わったところで定刻になり、照明が落ちて開演。思えば始まる少し前から鼓動のような音が聞こえる気がしていたが、気のせいじゃなかった。「heart heat beat tour」と題しているこのツアー、鼓動の音=beatも演出の一環だったんだなと。

初っ端から驚いたのが、映像演出があった。と言ってもモニターが2つだけなんやけど、クアトロでこんなのは初めて観た。BIGMAMA側の持ち込みと思われる。

モニターに心電図のような、まさしく鼓動を表す線の映像が始まると同時に "No.9" のイントロが流れ、メンバーが登場。新メンバーのビスたんから、真緒さん、カッキー、安井さんと続く。最後に金井さんが登場。柄シャツに黒スキニーの細身が映える服装。

 

新体制一発目のツアー、その一曲目は "Make Up Your Mind"。観客が声を出せない状況で、いきなりシンガロング曲とか金井さんドS。ドS王子。

Make Up Your Mind

Make Up Your Mind

バンドキャリアの中ではまだ比較的最近なこの曲をオープニングに持ってきたかと思えば、続く2曲目は10年遡って1stアルバムの一曲目である "the cookie crumbles"。この時点で新旧織り交ぜに織り交ぜたセトリで来る気だと確信し、期待が大きくなった。

サビで数字が出てくる "DIV/0!" では、観客も声が出せない分を指で示そうと全力で腕を挙げていたと思う。そして "DIV/0!" が最後の『終わりを選ぶの』でアウトロなく終わった後、そのまま繋げて "Paper-craft" のイントロが始まった時は流石に客席から歓声が漏れていた。俺も鳥肌えげつなかった。

普段から特段MCのないBIGMAMA。この日も金井さんが「こんばんは、BIGMAMAです!」とだけ挨拶し、すぐさま演奏。"秘密" "ダイヤモンドリング" と初期の代表曲で沸かせる。

続いて初めて「広島のフレンド達へ送ります」と曲振りを添えて演ったのは今年の新曲 "Best Friend (What will be will be)"。ここ数年のBIGMAMAらしい綺麗な曲で、観客もメンバーに煽られて拳を上げるのではなく腕をウェーブさせる。

と思ったら、またゴリゴリのアレンジから入ったのは "ワンダーラスト"。個人的にはライブで聴くのは初めて。音源よりもサビの盛り上がりが強かった気がしたんだが、ライブではいつもあのアレンジなのかな。

 

そして、ここでついにビスたんが吠えた。普通に喋るのねこの人。雄叫びと共に始まったドラムソロでは自分の頭のバケツも叩いたりして盛り上げた。これは絶対にリアドではできなかったパフォーマンス。

ドラムソロからそのまま始まったのは "走れエロス"。真緒さんがイントロを弾き終わった後1サビ終わるまでバイオリンを置いてステージを右に左に煽りに回ってたのが印象的。大サビ前の『Melos spring has come』はコールアンドレスポンスで客に歌わせる場面だが、客が歌うところで金井さんが指を口に当て「シー」のポーズ。大サビ直前、全く無音になったところで金井さんがそのポーズのままニヤッとしたのがカッコ良すぎた。あれは紛う事なき王子。

その次も合唱パートのある "ファビュラ・フィビュラ"。こうしてみるとBIGMAMAって客も歌える曲が多いよなぁと。

そしてここで "荒狂曲 "シンセカイ" "。びっくりした。こんな中盤に持ってきたか。今までなら大サビ前でそれはそれは大量のリフトが発生し、大サビでダイバーが大爆発する曲だが、コロナ禍の大人しいシンセカイに招待されるのも新鮮で良い。

そして次もびっくり。"Flameout"。本当に新旧も表題曲もアルバム曲も関係ない。ライブで観たの初めてやったけど、安井さんのベースがあんなに動いてる曲とは知らなかった。

Flameout

Flameout

ここまでで12曲演ってるんやけど、ここでまた金井さんが序盤みたいな挨拶したから「これはトータル25曲ぐらい演るやつやな」とワクワクした。

ツアー名に準え「一緒にドキドキしましょう」と添えて始まったのは "最後の一口"。ここで、モニターに再度「beat」の単語が映し出されたと思ったら、「b」の文字が消えて「eat」に。ツアー名に含まれる単語がそのまま "最後の一口" を表す単語に変わった。「なるほどな」と声が出そうになった。

続いて "Cinderella 〜計算高いシンデレラ〜"、そしてまた「eat」繋がりなのかこれまたアルバム曲 "ライフ・イズ・ミルフィーユ" へと繋げる。アウトロで金井さんがキーボードを弾いてた。前回のツアーでもキーボードを弾く場面があったな。

"ライフ・イズ・ミルフィーユ" が終わると、そのまま始まったのは "CPX"。金井さんがキーボードでワンコーラス弾き語った。しっとりした "CPX"、新鮮だった。安井さんもカッキーも真緒さんも身体を金井さんの方に向けて見守ってたの、愛を感じた。

1サビが終わる頃にみんな正面向いたから「あ、来るな」と思った途端、予想通りバンドサウンドの "CPX" へ。ここでまたモニターにさっきの「eat」が映ったと思ったら、eの真ん中の棒が消えてcに、aが上下ひっくり返ってpに、tが45℃傾いてxに。「CPX」になった。鳥肌立ち散らかした。

モニターの演出はまだまだ続く。"CPX" の次に始まったのは "YESMAN"。「CPX」のCが1番右に移動し、pが縦棒と⚪︎に分かれて縦棒は1、⚪︎はCの左上に付いて℃になり、xがまた傾いて横棒の−と縦棒のこれまた1に。並べ替えると、"YESMAN" が収録されたアルバムのタイトル「-11℃」の完成です。強すぎる。

「-11℃」はまだ2,3年前の作品だが、初めてワンマンに行った時のアルバムだったのもあって思い入れが強くて。キャリアが長くて初期曲の人気が高いバンドだから、新しい曲を演ってくれるのが嬉しかった。

とか考えながら "YESMAN" を聴き終わったのだが、次の曲で俺のテンションがとんでもないことになりました。

"Miffy's Mouth"。

Miffy's Mouth

Miffy's Mouth

いやもうありがとうございました。「-11℃」の中で一番、何ならBIGMAMA全体の中でかなり上位に好きな曲です。過去記事見てください語ってるから。

最初のドラムの時点で察し、イントロのバイオリンが始まったところでマジで泣きそうになった。さすがにこの曲演るとは期待してなかったよ。ただのアルバム曲だもの。このまま定番曲になってくれ。ライブ映像とか公開してくれ。

ビスたんが口元に赤いバツマークを貼りつけて「お口ミッフィー」していたのも面白かった。いやぁもうほんまに鳥肌立ち散らかした。好き。BIGMAMA好き。

「-11℃」曲2曲に続いて流れたのはオープニングでも流れた "No.9" のイントロ。ビスたんが立ち上がって「広島ー!!」と叫ぶと、モニターの「-11℃」の数字が-10, -9, -8,…と進んでいき、…7, 8, 9と "No.9" に変わった。数字が入ったタイトルもきっちり回収する。

この曲は最後「ラーラーラ」のシンガロング終わるが、そこから連続で "Sweet Dreams" のラララに。今回のツアー、曲と曲との繋ぎ方がほんまにすごい。と同時に、やっぱりキャリアも長いだけあって定番曲が多いなぁと。

 

いよいよラストスパート、"MUTOPIA" に続いて金井さんの弾き語りから始まったのは聴き覚えのない曲。金井さんが「新曲です!」とコールして、完全初見の新曲 "Let it Beat" へ。歌詞がモニターに流れて、流石にメンバーよりそっちを見てしまったな笑 新体制での再出発を歌ったような歌詞で、happyとheart beatで韻を踏んでいたり、今回のツアータイトルはここにあったんだなと。

そして最後、アニメーションMVが謎の伸びを見せている "The Naked King 〜美しき我が人生を〜" と、モニターに歌詞と一緒に煌びやかな映像が流れた "PLAYLIST" を演って終了。

最近のフェスとかのセトリを見ていても "PLAYLIST" 締めが多かったから、これで終わりやろな〜今回もアンコールはないんかな〜と思ってたら。

 

「今回のツアーは最後の一曲が空白です。最後の一曲…本日はベースの安井しか知りません」と金井さん。公演ごとにメンバー1人がラストナンバーを選び、その場で発表して演奏するという試み。何の曲になるのか他のメンバーも知らないと言う。「僕ら自身も最後までドキドキします」と最後の最後までツアータイトルを回収し尽くす。

選曲担当の安井さんが「?」の表示された謎のデバイスを取り出す。メンバーから「マリオのブロック?」って茶化されてた笑 ボタンを押すと画面に曲名が表示されるという。しかしボタンが2種類用意されていたのか、ボタンを押してもどちらが出てくるのか分からない仕様なのか分からなかったが、とりあえず安井さんの中では2曲の候補があった模様。真緒さん「二択!?」カッキー「準備する暇ある?」とメンバーも困惑してた笑

そしていざボタンを押すと「?」に変わって1文字ずつ表示されたのは「S」「W」「A」「N」「S」「O」「N」「G」。安井さんチョイスなのも納得できるようなスラップから始まった "Swan Song" が今回のサプライズラストナンバーでした。

間奏でのカッキーと安井さんの掛け合いも、大サビ前の真緒さんも、タメがすごかった笑 真緒さんタメすぎて再開する時に「何だっけ?」て分からんくなってたし笑 しかしそこから全員で一気に合わせての大サビ。あれをリハ無しで出来るのはすごい。

そういえば安井さんほんまに2曲考えてたんかな。もう片方何やったんやろなー。

 

メンバーが退場し、最後に再びモニターに「beat」の文字が映る。「beat」が「meet」になり、「Nice to "meet" you」と表示され、続いて「I'm happy to "meet" you」へと変わった。正式加入したビスたんからの最後の挨拶だろうか。

これで公演は終了。安定のアンコール無し。「I'm happy to "meet" you」の表示はずっと出ていて、撮影OKのアナウンスが出たのでみんな撮っていた。

f:id:tana-boon:20211101070434j:image

ピント一生合わんかった。笑

 

以上!

曲と曲との繋ぎも上手く構成されてて、映像演出とも相まって今までのワンマンで一番よかったかも知れない。行くか迷ってたから当日券にしたわけではなかったが、改めて行ってよかった。

何より、ビスたんの存在が非常に大きいことがわかった。リアドがいなくなった時は本当にこのまま下降の一途を辿るかと思ったけど、ビスたんのおかげでできるパフォーマンスが増えてるというか、むしろビスたんがいないと出来ない事をやってる。

ドラムと一緒に頭のバケツを叩いたり、 "Miffy's Mouth" の時に口にバツマークをつけたり、マスコットキャラ的な位置付けになりながらも、勿論ドラマーとして、メンバーとしてしっかり機能している。曲中に他メンバーが自分を挟む形になって掛け合いをしている時も、叩きながら左右に首を振ってメンバーに目をやったりして。サポート期間を経て早くも信頼関係が築き上げられてる事が伝わってきた。

やっぱりBIGMAMAは4人じゃなくて5人だな。これからもこのバンドは推し続けたい。これからも期待していきたい。

 

では(=゚ω゚)ノ

 

 

BIGMAMA heart heat beat tour 2021

10/31 広島CLUB QUATTRO

セットリスト

01. Make Up Your Mind
02. the cookie crumbles
03. DIV/0!
04. Paper-craft
05. 秘密
06. ダイヤモンドリング
07. Best Friend (what will be will be)
08. ワンダーラスト
09. 走れエロス
10. ファビュラ・フィビュラ
11. 荒狂曲 "シンセカイ"
12. Flameout
13. 最後の一口
14. Cinderella 〜計算高いシンデレラ〜
15. ライフ・イズ・ミルフィー
16. CPX
17. YESMAN
18. Miffy's Mouth
19. No.9
20. Sweet Dreams
21. MUTOPIA
22. Let it Beat (新曲)
23. The Naked King 〜美しき我が人生を〜
24. PLAYLIST
25. Swan Song