たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

米津玄師、神戸にいた。実在した。

米津玄師のライブを観に行ってきました!!!!!

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米津玄師。あの米津玄師です。コロナ禍の始まりにより途中で頓挫せざるを得なかった2020年のツアー「HYPE」以来の有観客ライブ。よくチケット取れたよ。シングル「M八七」のシリアルで運良く当選して確保しました。2枚買った甲斐があった。

会場は神戸のワールド記念ホール。2days公演の2日目。三連休の中日という事でもう本当に倍率高かったと思うのだが、繰り返しになるがよくチケット取れたよ。初めて行ったが、最寄りの駅まで乗るポートライナー自体も初めて乗ったと思う。高いところから神戸の海を見渡せる素敵な路線でしたね。土砂降りやったから何も見えんかったけど()

この日は昼イチでMINAMI WHEELに行って1組だけ観てから向かった。会場に着いたのは開演1時間前ぐらい。最初に物販を見に行った。さすがこの規模のライブはグッズブースも会場の外に別途設営されるレベル。フォトスポットの行列もすごかった。皆土砂降りの中お疲れ様です…

グッズはラバーバンドとタオルを購入。

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人生で見たラババンの中で一番凝ってる。

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NIGI Chanタオル可愛い。にぎちゃん可愛い。

元々NIGI Chan Tシャツが欲しさあったが、既にソールドアウト。まぁゆっくり行ったし仕方ない。お金浮いたと思おう。

 

電子チケットで入場時に発行される紙チケットを観るまで座席が分からない仕様。スタンドのAブロック前方で、直線距離で言うとアリーナ最前列に匹敵するぐらい近いんじゃないかという位置でびっくりした。ステージは前方中央にメインステージと、そこから中心に向かって花道が伸びている構造。メインステージの下手側がすぐそこ。スタンドだから少し高いところから見下ろせるし、めちゃくちゃ両席だった。

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こんな感じ。笑

席について落ち着いた頃にはもう10分前。この規模の公演にしては珍しいぐらい、ほとんど押さず定刻通りに消灯し、開演した。

 

最初にオープニングムービーがステージ左右のスクリーンに映し出される。タオルにも描かれたキャラのにぎちゃんが車を運転している映像。車のナンバープレートが「M87」という小ネタ。駐車場に泊まり、にぎちゃんが降車してトランクからじょうろを取り出し歩き出す。実写版の着ぐるみにぎちゃんキモかわ。にぎちゃんがエレベーターに乗って上昇していったところで映像が終わる。と同時に、エレベーターの箱を模した巨大な直方体のスクリーンがステージ中央から迫り上がってきた。そして照明が点くと、スクリーンの前にじょうろを持った米津さんが!にぎちゃんが米津玄師に「変身」したわけだ。そのまま1曲目 "POP SONG" が始まり、ライブが幕を開けた。

花道の真ん中がベルトコンベアになっていたようで、メインステージからいきなり花道を通って島へ移動。ベルトコンベアで移動するあの姿はMV中の大サビでプレステのリモコンに引っ張られて動くシーンを再現しているようだった。

また米津さんばかり観ていて気づかなかったが、メインステージにバンドメンバーも登場していた。Gt. 中島宏士さん、Ba. 須藤優さん、Dr. 堀正輝さん。米津さんのライブでは固定のメンバーらしい。須藤さんはXIIXやsumikaでも弾いてるから遠くから観ていても須藤さんだと分かったが、後の2人は初めまして。

"POP SONG" が終わると米津さんがじょうろを投げ捨てると同時にダンサーが登場。"感電" のイントロのホーンが始まると客席からはこの日一番の歓声が漏れ出ていた。

大勢のダンサーを従えて歌い上げる姿、スタンドから遠目に観てもスクリーンで観ても圧巻だった。また趣味柄やはりバンドメンバーの演奏にも注目してしまうのだが、Cメロのドラムの手数が原曲よりも多かったような気がする。厚みの出るアレンジだった。

3曲目は野田洋次郎とのコラボ曲 "PLACEBO" 。さすがに洋次郎パートも自身で歌っていたが、まさかツアーファイナルでは洋次郎本人もゲストで出てきたりするか…?ないか。笑


ここでご挨拶のMC。ツアーは2年半ぶり、神戸でのライブは5年ぶりとのこと。

バンドメンバーが引っ込み、続いてメインステージの真ん中でスタンドマイク一本で歌い上げるコーナーへ。真後ろの直方体スクリーンにおどろおどろしい映像が流れつつ "迷える羊" を神聖かつ厳かに歌ったかと思えば、映像すらも無くなってスポットライトだけの下で淡々とカナリア" "Lemon" と極上の2曲をぶつけてきた。"カナリア" のサビは何度聴いても鳥肌が止まらないし、生Lemonを搾れた事実には日本人として最早誇りを覚える。

また、続く "海の幽霊" では主題歌になったアニメの映像が流れた。

ここでがっつりMC。米津玄師ってこんな喋るんやってぐらいの普通のMC。楽屋に金平糖が置いてあったらしく、「兵庫って金平糖が名産なの?」と問いかけるも、観客は声を出せないので「合ってたら拍手して」と呼びかける。

…誰一人拍手しなくて「あ、違うんだ笑」て面食らう米津さんw めっちゃシュールだったなあの瞬間。米津玄師の発言に誰もリアクションしないことってあるんや笑

後日神戸出身の同期に聞いたけどマジで金平糖が名産ってのは心当たりないらしい笑 何で楽屋に置いたんだろうスタッフさん…w

そんな人間味のあるMCを終え、「最近結婚した友達に捧げた歌」と前置き、菅田将暉への提供曲のセルフカバー "まちがいさがし"。(結婚ソングなんかあったっけ?)と思ったけど「捧げた友達が最近結婚した」て事ね。改めておめでとうございます。

まちがいさがし

まちがいさがし

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255

この曲、菅田将暉の原曲よりキー低いの笑ってまうんよな笑 菅田将暉紅白でしんどそうに頑張って歌ってたのに笑

ここで初めてギターを持って "アイネクライネ" を演ったと思ったらすぐに再びギターを置いて "Pale Blue" へ。曲名通りペールブルーの照明の下、メインステージでしっとり歌い上げる米津さんと中央ステージで踊る男女のダンサーとの対比が美しかった。

次の "パプリカ" では更にパフォーマンスの自由度が爆上がりする。直方体モニター周りのステージが競り上がり、米津さんが高いところで寝転んだりあぐらかいたりしながらゆらゆらと歌い踊っていた。そして下ではダンサーの皆さんがFoorinのダンスを。子連れのお客さんも多かったと思うが、小さい子供たちが「あの曲だ!」「あの踊りだ!」ってなってるのかなぁとか考えるとなんか感動した。また、大サビでは客席の天井から花吹雪が。スタンドだから花弁は届かなくて取れなかったが、アリーナのゲットできた人たちは大切にしてほしい。

ここでまたMC。といきたいところなのだが、花弁が落ち切っておらず、「ずっと舞ってるね…何か…あるんだろうね神戸にそういうのが」とロマンチックな事を言って拍手を起こすも、MCに入るタイミングを失い「…落ちるまで待っていい?笑」ってなったの面白かった笑

花弁が大体落ち切り、ここのMCが一番長くて真面目だったね。コロナ禍での活動について述べた。もはや米津玄師から「新型コロナ」ってワードが出る事自体に感動したけど。米津玄師もコロナ禍を生きる日本人なんだなって。いや神格化してるわけじゃ元からないんだけど。

冒頭で書いた前回のツアーが途中でできなくなった事にも触れた。ちなみに「HYPE」ツアーの最後の公演って広島なんですよね。今でも覚えてる、自分はその日クアトロでBIGMAMAのワンマン行ってたんだけど、帰りにすごい人だった記憶。

あの時から2年間、時が止まっていたような感覚だったみたいで、「今年31だけどまだ29の気分」と。つか2年前29だったのか…俺とふたつしか変わらんのか米津さん…

「演ってみると意外とライブはできて。みんなには窮屈な事をしてもらってる。制限がある中だけど、それぞれ自由でいいんじゃないかなと」と柔らかくて対立を生まないメッセージを。流石です。後で本人「校長先生みたいな話」って自分で茶化してたけど笑

「クソみたいな日々だけど今日ぐらいはクソじゃないって事で」と全くクソじゃないMCを終え、ここから全くクソじゃないカッコ良すぎるラストスパートが始まる。

音源ではLAMP IN TERRENの大さんが参加している "ひまわり" から始まり、"アンビリーバーズ" "ゴーゴー幽霊船" "爱丽丝" "ピースサイン" という怒涛のバンドセット。かっこよすぎた。

"アンビリーバーズ" の時点で「懐かしい曲!」ってなったのでその次の "ゴーゴー幽霊船" のイントロで情緒がおかしくなりました。ボカロPから自分の声で歌うようになり、ネットの世界から出てきたばかりの頃の曲がこんなに大きな会場で響いている事に、そしてその場に立ち会えている事に感動。砂嵐のような映像をバックに繰り広げられる、原曲よりもソリッドなバンドアレンジが鳥肌ものだった。あとやっぱりバンドメンバーにも注目してしまう。Bメロはドラムハイハット裏打ちなんや、とかね。続く "爱丽丝" のダークなサウンドも爆音で浴びたらカッコ良すぎて笑ってしまった。2017年の時点でKing Gnu常田を起用していた化け物のような曲。意識して聴くと確かに常田さんのギターなんだよな。

爱丽丝

爱丽丝

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255

"ピースサイン" ではイントロで銀テープが放たれた!スタンド後方まで届いていたようだが、自分はAブロックで真横すぎたのでこれまたゲットできず。まぁあんだけ近くで観られたら十分よ。

真ん中の直方体モニターを上下に分け、左右のモニターと合わせて4分割になってバンドメンバーを含めた4人が一斉に映ったのめちゃくちゃよかった!あの瞬間だけは米津玄師はソロアーティストじゃなくてバンドだった。米津玄師というバンドだった。大サビのメロ替えも鳥肌モノだったなぁ。実はここまで手を挙げずに観てきたんだが、ここのサビで一気に手を挙げてしまった。ピースで。楽しかった。

そして、「次で最後なんですが、新曲やります!」と吠え、拍手が巻き起こる中ラストナンバー "KICK BACK" へ。

KICK BACK

KICK BACK

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255

発表されたばかりの「チェンソーマン」OP。それについては先日色々書きましたけれども。今は配信開始しているが、この日まではまだフルで聴いたことが無かった。むしろ演るかどうか五分五分かなってところだったので聴けて大満足。

ステージ前のトーチから炎が噴き出し、ダンサーも群衆の如く出てきて、混沌とした真っ赤な照明の中でのパフォーマンス。イントロがベース始まりな時点で性癖に刺さったし、Aメロからサビのシャウトまで全編通して狂気がエグい。途中で米津さんがカメラを取り出し、インカメラで自分を映しながら歌唱。ダンサーやバンドメンバーも映したりして、そしてその映像がリアルタイムでモニターに映し出され、臨場感が凄まじかった。

暴れるだけ暴れてスパッと終わって全員去っていった。割れんばかりという拍手が起こり、本編はこれで終了した。

 

まぁ当然の如くアンコールがあるわけだが、あれだけの人数いるとアンコールを待つ手拍子がもう拍手みたいなんよ。笑 アンコールに向けてバンドメンバーが出てくると手拍子はもう普通に拍手になり、いよいよ照明が落ちた。

始めにマイクのところにスポットライトライトが当たり、照らされた下には座布団が。皆察した。"死神"。チェンソーマン終わりの死神始まりってエグいなもう。

続く "ゆめうつつ" では無数のシャボン玉が客席に放たれ、曲名の通り夢の中のような空間が出来上がった。シャボン玉もやっぱり自分のところには飛んでこなかった。笑 音源としてはカップリングだからあまり聴き込めてないんだけど、この曲も優しいメロディしてるよなぁ。

ゆめうつつ

ゆめうつつ

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255

ここでアンコールにしてバンド紹介。米津さんに振られ、代表して中島さんが少しMCを。なんかお茶目で楽しい人だったな笑 「よね」呼びがほっこりする。急にアットホームな雰囲気がワールド記念ホールに溢れた。

続いてダンスメンバーも紹介。そのままダンサー達と共に作り上げる "馬と鹿" へ。花道のベルトコンベアを歩きながら歌う。ダンサー達の動きがMVの世界観を再現しているようで壮大だった。

最後の最後はバンドメンバーもダンサーも皆捌け、「変身」というツアータイトルからもコンセプトになっていることは間違いなかった、「シン・ウルトラマン」主題歌 "M八七"。あんだけ豪華なバンドメンバーとダンサーを従えて壮大なステージを繰り広げてきておいて、最後の最後は1人で世界観を作り上げていった。天才だった。

最後の曲が終わると、米津さんは再びエレベーターを模した直方体モニターの麓へ。エレベーターの扉が開く音が流れ、にぎちゃんに再度「変身」した米津さんは地下へと降りていった。

これでライブは終了。にぎちゃんが車を運転する様子と共にスタッフロールが流れるエンディング映像が流れた。BGMは「M八七」のカップリング "ETA"。

ETA

ETA

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255

ETA」って知らなかったんだけど「Estimated Time of Arrival」の略で「到着予定時刻」って意味なんですね。『Good night』『どうか安らかな夢で眠れますように』というフレーズからも、エンディングに相応しい曲だなと思った。何というか、ライブのラストナンバーと言うよりも、エンディング。

本当に素晴らしいライブでした。

これで完全に終了。規制退場の順番が比較的序盤に回ってきたのでそそくさと出てきました。それでもすごい人だったけど、電車も増便してたみたいで非常にスムーズに帰ってこれた。鮨詰めの電車見送ったら2分後にまた来てガラガラの電車乗れたし笑 色々とついてたな。

 

以上!!!

この規模のライブ、久々だったな。素晴らしかった。何なら数時間前までJANUSいたのにな笑 10倍以上の規模。忘れられない公演になりました。ミナホ3日間通し券よりも高いのも納得だ。笑

正直言うとミナホも終日通したいし米津玄師とどっちを取ろうか悩みかけた時もあった。しかし血迷わなくてよかったわ。本当に行ってよかった。当たってよかった。米津玄師をこの目で拝むことができて、名曲の数々を生で浴びることができて、幸せでした。ツアーの残りの日程も無事おわりますように!

では(=゚ω゚)ノ

 

米津玄師 2022 TOUR / 変身

10/9 神戸ワールド記念ホール

セットリスト

1. POP SONG
2. 感電
3. PLACEBO
4. 迷える羊
5. カナリヤ
6. Lemon
8. 海の幽霊
9. まちがいさがし
10. アイネクライネ
11. Pale Blue
12. パプリカ
13. ひまわり
14. アンビリーバーズ
15. ゴーゴー幽霊船
16. 爱丽丝
17. ピースサイン
18. KICK BACK

en1. 死神
en2. ゆめうつつ
en3. 馬と鹿
en4. M八七

ED. ETA