たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

2023年初ライブ、3年ぶりの声出しsumika

2023年初ライブはsumikaのツアー大阪公演に行ってきました!

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今年結成10周年を迎えるsumika、昨年秋のアルバム「For.」を携え年を跨いで敢行しているツアー。アルバム先行で申し込んだ大阪公演が一発で当たった(ちなみに広島公演はミナホと被ってた)。そんなわけで、「For.」は言わずもがな名曲揃いだったが、そのツアーという事でセットリストはアルバム曲+αぐらいだろうと正直あまり過度に期待していなかった。しかしその予想はとんでもなく裏切られる事になる…

会場は久々の大阪城ホール。2daysで両方追加立見席以外はソールドアウト。流石の人気です。開場時刻を過ぎたぐらいに到着して物販でカーディガン購入。カーディガンというとニット生地のイメージだったがスウェットっぽい感じ。持ってない系統なので買い。

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タオルもTシャツも持っているので改めて買うグッズは無いかなーと思っていたが、だからこそゆっくりめに行ったのだが、見たら欲しくなる安定のやつ。所定以上の会計時についてくるショッピングバッグが無くなってしまっていたので、結局買うんなら早めに行っておけばよかった。。。

カーディガンを抱えて入場、座席はスタンド席の下手側中段あたり。十二分に見晴らしが良い。高いところから見ていると開演数分前まで空席が目立ち、まだ来てない人これ間に合うんか…?それかやっぱりご時世的に来られなくなった人が多いのかな…と思っていたが、最終的に何だかんだ埋まった。

定刻になるとスクリーンにメンバーから注意事項に関するメッセージをアナウンスする映像が流れた。注意事項は映像中の黒田さんに振られて結局影アナが読み上げるのだが笑 その後、場内BGMと照明が一気に消え、開演した。

砂嵐のような映像と力強く激しいBGMと共に、赤い照明の中メンバーが登場。「Ten to Ten」から派生してなのか10からのカウントダウンが映像中で始まり、ゼロになるタイミングでアルバムの1曲目 "NEW WORLD" から壮大に始まった。

ステージのみを照らす赤と白の閃光の中で物々しく1曲終えると、続く "Glitter" で一気に明るくカラフルに。セットも家を模した豪華なバックドロップが出現し、『Do the dancing with you』で一斉に16000人の手が挙がる。

今回の公演は会話レベルの声量での声出しOK。2020年のコロナ禍の始まり以来sumikaのワンマンで声出し解禁は初めてとのこと。片岡さんが3年ぶりに声出しを煽った初めてのは続く3曲目 "ふっかつのじゅもん"。まさしく声出し復活。片岡さんが大サビ前の『暴れるのを待ってんだぜ』を替えてエフェクトかかったままの声で「待ってたんだぜ!!」と叫んだのは鳥肌ものだった。

声出しが復活した勢いそのままに "何者" で更にシンガロングに拍車がかかる。「For.」の中で一番 "ふっかつのじゅもん" 系統の楽曲。逆にここまでの公演はこの曲を声出し無しで演ってたのか…スクリーンの映像が乱れるようなエフェクトもカッコよかった。

そしてここで "Lovers"。最大の代表曲がラストスパートの皮切りでもアンコールでもなくこんな序盤で投下されるようになったところにバンドの円熟を感じる。1サビ後で片岡さんが小川さんに絡みに行く恒例のくだり、この日はペットボトルのストローを口に突っ込んで水飲ませてた笑 小川さんよく弾き続けられるなあれw

ここで最初のMC、言わずもがな声出し解禁について触れる片岡さん。「2020年より前を知ってる人も知らない人も居ると思う、ただ確実に言えるのは今日が今までで一番最高の日にしたいという事」と改めて気合を入れ、"10時の方角" へと入る。

前々作フルアルバム「Chime」のリードトラック、意外な選曲だった。実はこの曲、今住んでる家に引っ越してきてから初めて聴いた曲。と言うのも、引っ越してきて最初に室内で音楽を聴くのに適切な音量を確認しようと思って聴いたのが、当時リリースされて1ヶ月程の新譜だった「Chime」だった。その1曲目がこの "10時の方角"。ある意味思い出深い曲なので、10周年を意識したこの公演で聴けてエモい。

続いて荒井さんの力強いタムから入った "イコール" は一曲通して小川さんがメインボーカルを。新鮮だった。片岡さんはコーラスに徹した。休憩かな?大サビ前に全く無音になるアカペラ部分があるが、そこもブレず歌い切った小川さん凄い。

その次が "いいのに" で、本当に「For.」のツアーか?と思うほど過去曲が多い。冬に似合うほっこりするナンバーである。片岡さんと黒田さんが城ホールの広いステージを端から端まで広く駆け回っていた。というか改めて思ったけどsumikaの正式メンバーで演奏しながら動けるのこの2人だけなんだよな笑 ベースもサポートだし。あ、そういえばこの日のサポートベースはXIIXの須藤優さんでした。米津玄師のツアーでもお世話になりました。引っ張りだこだね。淡々と弾く姿がカッコいい。

続いて「MVや配信じゃなく、フィルターのない生の状態で届けたい」と前置いてアルバム曲 "透明" へ。

透明

透明

「For.」のリリース前からフェス等で頻繁に演奏されていたイメージ。しかしその割にアルバムが出てからもMVが制作される事もなく、リードトラックという訳でもない。不思議な位置付けの曲だなと思っていたが、ライブで届けることに重点を置いた曲ということだったんだなと。スクリーンにも歌詞が映し出され、一方で映像自体はモノクロという演出。サビで『愛している』を連呼する事からも、ライブで歌詞を伝える事を強く意識していることが伝わってきた。

 

ここで、一旦観客を座らせてアコースティックパートへ。「2013年、sumikaと同時期に生まれたバンド」と銘打って自己紹介したsumika [camp session]の出番である。しかしその名を出した時の観客のまばらな反応を見て「拍手の少なさから分かる知名度の無さ笑」と苦笑いの片岡さん笑 完全に名義を分けている[camp session]の立ち位置、確かにリスナーにどれぐらい浸透しているのか微妙だよな笑 そういう経緯も鑑みての、3月の[camp session]名義での音源「Sugar Salt Pepper Green」のリリースなのかも知れない。

[camp session]ではメンバー皆でステージ中央に集まり、 "知らない誰か"、そして "アネモネ" "春風" のセルフカバーを。あくまで別名義なのであくまでセルフカバー扱い。しかしまぁ選曲がほんと過去曲多いなと…!そして "アネモネ" も "春風" も原曲とは全く違う雰囲気でよかった。"春風" の時はサポートメンバーも一旦捌けて完全に4人のみ、ベースレスでシックな曲調が新鮮だった。この曲は3月の新譜にも入る。

そういえば4人になった時に黒田さんが話した、4人でファミレス行ってドリンクバーでふざけて店員に怒られた話笑ったなw そこからいきなり「ファミレス行くかぁ!」て吠えた荒井さんも草だった。[camp session]の準備中に片岡さんがsumikaのことを「こういう人と付き合いなさいみたいな真面目なバンド」って言ってたのが伏線みたいになったぞ、全然真面目じゃないじゃんw

"春風" が終わると、片岡さん以外の3人も捌けた。「ついにメンバーもいなくなりました笑」とおどける片岡さん。ソロ弾き語りタイムである。

「バンドやっておきながら何ですが、孤独になる時間というのも必要だと思っていて。目の前に広がる真っ白な世界が、本当に白紙なのか、スペースキーを何回か押してできている白紙なのか…そのスペースを感じながら歌います」と厳かな前置き。メンバーとの関係性、ファンとの関係性を語ってから入ったのは、THE FIRST TAKEでも弾き語りで披露した "ファンファーレ"。

…歌い出しの『夜を超えて』で声裏返ってやり直したwww 「もう一回やっていい?笑」の瞬間に会場に広がる爆笑の渦。「嘘だろ…カッコいい感じで入ったのに…」と凹む片岡さん、全人類から見て可愛かった。仕切り直す前に取ってつけたように「スペースを感じながら歌います笑」と半笑いで添えたのも面白かった。何が面白いってその後大サビでも裏返りかけて「ヒヒッ」て笑ってやり直したのがもう本当に可愛かった。29歳男性から見てあんなに可愛い37歳男性いる???

つかTHE FIRST TAKEで裏返らなくてよかったな笑 名誉の為にOK TAKE貼っときます() こっちは小川さん伴奏だけど。

弾き語りを終えた片岡さんが一旦退場し、アコースティックパートが終了。セットを準備する傍ら、ソリッドなギターが鳴り出したと思えば下手側ステージ端にスポットライトが当たり、黒田さんが。メタルチックなギターソロを弾き倒す力強い姿に、これは再び立つべきか…?となる場内の雰囲気。それに対する黒田さんの「…立とっか」って囁き声に笑い声が起きつつ、後半戦の始まりを悟って16000人が一斉に立ち上がる。

ギターで鳴らすメロディを観客に歌わせるコールアンドレスポンスパートから入り、最終的に弾いたのは『ソーダ 泣いちゃいそうだ』のメロディ。いつの間にか他のメンバーもスタンバイ完了し、後半戦は "ソーダ" から始まった。

続いてフェスでも定番になった "Flower"。声出し解禁によりサビでのフラワーコールも復活。片岡さんの煽り、「大阪の」\フラワー/かと思ってたけど「俺たちの」\フラワー/だったな。久々に観客の声が聴けて、自分たちも含めてFlowerが咲いたという想いなのかな、とか思ったり。

"Flower" で明るくキラキラさせたところから一転、片岡さんがリリース前から「大人に怒られそうな曲」と言っていた "The Flag Song" で一気に雰囲気が変わる。フラッグに因んでスクリーンの映像も旗のように靡くエフェクト。あんな演出できるんだ。間奏で片岡さんと黒田さんがお立ち台に登って向かい合ってギターを弾き合う姿もカッコ良すぎた。しっかり中に出されました。

続いては片岡さんのカッティングに思わず声が出てしまった "イナヅマ" へ。この日のセトリの中で一番予想してなかった。

青と黄色の雷みたいな照明がカッコよかった。ところどころアリーナ席にも不規則に黄色のスポットライトが落とされ、雷が落ちるような演出。『好き嫌い嫌い好きで嫌い』のところで一旦演奏を止め、「sumikaのこと好きな人!」で拍手→「sumikaのこと嫌いな人!」で拍手止む、といったくだり。「嫌いな人!」のところでの拍手の急激な止み具合が見事だった。皆さんよく訓練されたファンです笑 荒井さんが「嫌いな人!」のとこだけスネア叩いたの笑ったけどw こんなパフォーマンスも組み込める曲だったんだな。初めて生で聴けてよかった。

いよいよクライマックス、2021年に狂ったように聴いた "Shake & Shake"。マジでMVは2021年で一番再生しました。

スクリーンに映るのがハンディカメラで撮ってる映像で、順にメンバーの姿が映っていくのがMVの再現っぽくて良かった。片岡さん越しに満員の客席が映った時はやっぱりグッと来たね。こんな景色観ながら演奏するの、そりゃ楽しいだろうよ。

"Shake & Shake" でこの上ない多幸感に包まれた後は、片岡さんから最後のMC。「楽しい曲もあるけど、辛い曲や悲しみを乗り越えた曲も歌いたい、それがミュージシャンだと思います」と前置いての "Lost Found"、そして言葉について語ってからの "言葉と心"。

思えば結局「For.」の収録曲は半分ほどしか演らなかったわけだが、この2曲だけは絶対外さないだろうな、最後に演るだろうなと確信していた。"言葉と心" の前の「言葉は沢山教えてもらえるのに、その使い方は教わらなかった」「一番大切なのは中学・高校で習う難しいことじゃなくて小学校で教わるずっと簡単な言葉だった」ってフレーズ、涙腺に来た。危なかった。大サビで二つのスクリーンにそれぞれ2分割でメンバー4人が映ったのもめっちゃよかったな。


アンコール前、手拍子の揃いっぷりが凄かった。あの人数で揃うの普通に凄いと思う、端と端で時間差ありそうなのに。

アンコールは最後の『さぁ今日も始めましょうか』を「さぁアンコール始めましょうか」に替えた "フィクション" からスタート。終わってから片岡さん「大阪の手拍子揃いすぎ、プロの揃え師がいるの?笑」と笑

からの各メンバー挨拶。「2023年一発目のライブ、願掛けじゃないけど10周年に向けて幸先良い」と言う黒田さん、この日がギターのコードレスデビューだったというのはマジか?今までもこの規模のライブは何度もやっているはずだが、ずっとアンプにコード繋げてたの?意外だ。

荒井さんは初めてドラムセットから降りて前に出てきた。ステージを端から端まで歩いて語気の強いMCを。観客を「お前ら」呼びするタイプの人だっけ?と思ってたらライブ前に東京リベンジャーズ全巻読んできて営業されてたらしい笑 まぁ喋ってる間ずっと笑い起きてたけど笑

そこから続いて片岡さんに振られた小川さんの「やりづれぇよ!!!!!」はマジで心からの叫びだった笑 そして小川さんも東リべ読んでたらしい笑

アンコールは残り2曲、安心安定の "雨天決行" と "「伝言歌」"。"「伝言歌」" では再びスクリーンに歌詞が映され、大サビ前には『伝えたい 全部あなたに 全部伝えて この言葉よ 迷わないように』で念願のシンガロング。制限のある中でも16000人の合唱は圧巻だった。また、再び画面2分割×2で4人が映し出されたのも感動した。

最後はサポートメンバーが捌けた後、4人でステージ上を端から端まで歩きながら挨拶。上手側に行った時、片岡さんがスタンド最前列の人に「めっちゃ近かったね!」て言ったのとてもよかった。スタンドの一番ステージ側前方ってアリーナ最前列よりも近くて当たりな事あるよね。

片岡さんが一番最後に退場する前にマイク通さず「愛してます!!」を叫び、この日一番の拍手が湧いて、終幕。終演のアナウンスがされる最後の最後まで暖かいライブでした。

 

以上!!

年始の記事で書いた通りがっつり体調を崩しており、大阪というのもあり諦めようかと思っていたが、本当にギリギリで快復して行けてよかった。10周年イヤーを迎えるに相応しい、新旧織り交ぜたセトリで最高だった。正直ただのアルバムのツアーやと思ってました。ごめんなさい。

一方で、つまりは「For.」の収録曲で演っていない曲も多くあるわけで。もうセトリ調べたけど2022年中の公演でも演っていない曲がちらほら。今後のライブで聴けたらいいな。"フレア" とか好きよストレートで。

フレア

フレア

改めて見返してびっくりしたんだが、sumikaを観るのは何気にコロナ禍に入ってから初めてだった。2019年のツアー以来4年ぶり。フェスでどこかしら観てる気でいた。そんなわけで声を出せないsumikaのライブというのは自分は経験する事がなかったわけだが、何度も涙目になりながらパフォーマンスする片岡さんを見ていると3年ぶりの声出しがいかに感慨深いことか理解できる。声出し禁止ライブも経験しておきたかったなとすら思う。最後の "「伝言歌」" の合唱とかもっと感動したんだろうなと。とは言え本当に来られてよかった。

あと、大阪城ホールのライブはなんと2017年の高橋優のツアー以来6年ぶりでした。野音には何回か来てるけど、城ホールこんなに久しかったとは。アリーナクラスのライブ、やっぱりいいね。

2023年初ライブ、最高でした!!

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では(=゚ω゚)ノ

 

sumika Live Tour 2022-2023 Ten to Ten

2023/1/14 大阪城ホール

セットリスト

01. NEW WORLD
02. Glitter
03. ふっかつのじゅもん
04. 何者
05. Lovers
06. 10時の方角
07. イコール
08. いいのに
09. 透明
10. 知らない誰か
11. アネモネ
12. 春風
13. ファンファーレ
14. ソーダ
15. Flower
16. The Flag Song
17. イナヅマ
18. Shake & Shake
19. Lost Found.
20. 言葉と心

en1. フィクション
en2. 雨天決行
en3. 『伝言歌』