たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

クレナズムのバリよか広島ワンマン

クレナズムのワンマンに行ってきました!

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福岡を皮切りに広島と東名阪の5ヶ所を回るワンマンツアー。東名阪と彼らの出身である福岡はともかく、残り1ヶ所に広島を選んでくれるのが嬉しい。ツアーが発表された時からすぐに先行でチケットを確保していた。

ワンマンはちょうど1年前に福岡で観て以来だな。個人的には初めての福岡ライブだった。初めてのっていうか今のところ唯一の。

クレナズム自体は直近9月に福山のJOKAFESで観ている。クレナズムにとってこの時が初めての福山ライブ、広島自体も今年の1月(Hakubiの対バンだったかな?)が初めてだったので、もちろん広島ワンマンは今回が初となる。

会場は広島SECOND CRUTCH。先行で取ったのもあって久々に整理番号1桁台をゲットしたが、開場時間に少し出遅れて入場した。しかしそれでも問題なく余裕を持って前方に行けた。その程度には、お世辞にも満員とは言えない動員。山口のSHUNAN Orbitや岡山のhoshiotoなど中国地方のイベントにも積極的に出ているが、まだまだ広島に浸透していくのはこれからかなといったところである。それでも開演直前になると後ろにちょろちょろ人が来て、初めてワンマンをやる地でこれだけなら大したもんだよなという感じに。

定刻数分過ぎたところで、BGMと照明がスパッと消えて開演。メンバーが順に登場し、拍手が上がる中Vo. 萌映さんが深々とお辞儀をしてから一曲目へ。

何と初っ端から未発表の新曲を投下してきた。また、一曲を通して照明がずっと逆光で、メンバーの表情も細かい演奏も分からないようになっていた。後のMCで言っていたが、"ふたりの傷跡" という曲とのこと。主題歌を務める映画のタイトルと同じですね。

初めてのフルアルバムを出して回るツアーで、そこにも収録されていない新曲を一発目に、しかも照明で視覚的情報をカットして完全に楽曲だけで聴かせるとか度胸あり過ぎる。

その曲が終わると、白い閃光と共に "白い記憶" が始まる。いつもクレナズムのライブの始まりはこの曲のイメージなので、「そうそう、これこれ」感。メンバーの姿もはっきり見えるようになり、始まった感じが一気に増した。

挨拶もほとんど挟まず、丁寧にチューニングを合わせながら立て続けに演奏。"ウェインは言った" という初期曲も演りつつ、"さまよう" "あの人の好きな音楽を聴いた" など新譜「日々は季節をめくって」の曲も連続で投下。

"ウェインは言った" のギターの掛け合いが美しい。というかあのリフ1人で弾いてるんだと思ってた。帰りにイヤホンで改めて聴いてみたら確かに左右で分かれて聴こえてきた。

その次に知らない曲が来たが、最初のリフ的に多分 "velvet rain"。去年のツアーでもアレンジバージョンを演っていたから、この曲はライブでは原曲を演らないのかな?にしても、爽やかな4つ打ち風になっていて、前回のツアーとも違うアレンジだった気がするが。音源化してほしい。

velvet rain

velvet rain

  • クレナズム
  • ロック
  • ¥204

MCは萌映さんの挨拶に始まり、Dr. しゅうたさんとBa. まことさんから物販や新譜の宣伝などを簡単に。まだまだ喋りが拙くて青い。しゅうたさん、話し方に人柄が出まくってる。演奏中もすごく楽しそうに叩く。そんなノリで笑う曲じゃないだろって曲でまで笑顔で叩く。

MC明けは、サビで初めて手が挙がった "進め。" に始まり、 "ラテラルアーク" を挟んで "ヘルシンキの夢" "ひとり残らず睨みつけて" と、疾走感のある曲が続いた。"ひとり残らず睨みつけて" のイントロに入る前のアレンジはライブならでは。MVの印象もあって爽やかな青のイメージなので、サビで真っ赤な照明に包まれる様子は新鮮だった。萌映さんが煽る仕草をしたのもあって、ここで一気に手を挙げる観客が増えたな。

普通のバンドならこういった楽曲が続くとラストスパートかと思うが、クレナズムは逆。再びMCに入り、萌映さんが観客への感謝を述べる。「クレナズムにとっての幸せがみなさんであるように、皆さんの幸せがクレナズムでありますように」と添えて "エピローグまで" "花弁" へと繋げる。クレナズムの真骨頂はこっちだと言わんばかりの楽曲たち。

続いて萌映さんがギターを下ろしてハンドマイクに持ち替えた時点で察した "わたしの生きる物語"。と言いつつも音源では弾いているのであろうギターのフレーズは同期で流れていたが。萌映さんの『でも、どうしようもないじゃない』で前髪の隙間から覗く瞳の目力凄かったです。

この曲は配信でリリースされているが、アルバムにはライブ音源が収録。だからオリジナル音源はフィジカル形態が無い。今時だなぁと。

わたしの生きる物語

わたしの生きる物語

サビの高音が美しい "365" に、アルバムの実質ラストを飾る "紫苑" を演奏し、本編終了。

というか、終了。

なんとアンコールがなかった。"紫苑" が終わってメンバーが深々とお辞儀をして戻って行った後、例の如くアンコールを求める手拍子が始まったのだが、場内の照明が点いたので「あれ?」と思っていたところにスタッフさんから「本日これで終了でーす」とのアナウンス。正直不完全燃焼感があったが、アンコールは当たり前にあるものでは無いという事を改めて認識した気がする。

何より初めてラストが "青を見る" じゃなかった。始まりも "白い記憶" じゃなくなったから、着実に楽曲を増やして定番を崩して進化していっている事が分かる。

思えばアルバムの曲も全部は演っていない。新曲から始まった時点で明らかだったが、本当にクレナズムらしいと言えばらしい、王道をなぞらない不思議なライブだった。

 

物販でTシャツ購入。ビッグシルエットほんま好き。カラフルなロゴも可愛い。

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物販は萌映さんとしゅうたさんが対応。他のお客さんともしっかり話してて、特典会みたいな雰囲気だった。この日、クレナズムのロンTにタオルを巻いていたので、萌映さんが「全身クレナズムですね!」と言ってくれた。はい、染めてきました。昨年の福岡ワンマン、SHUNAN Orbit、福山JOKAFES、全部言ってる旨伝えておきました。推しへの愛は直接。また広島来てください。

帰りに記念チケットが配られた。MCでしゅうたくんが説明していたもの。本公演は電子チケットしかなかったので、こういう形に残るものが貰えるのは嬉しい。

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以上!

いやーバリよかでした。クボタカイとのコラボ曲である "二人の答え" はともかく、MVのある "明日には振り向いてよ" も演らなかったのは本当に意外だった。しかし、シューゲイザー色の強い過去曲が多めだったことを考えると、もしかしたらワンマンに来る層の需要はこっちだと思っているのかも?JOKAFESでは "杪夏" みたいな曲も演ってたし、ワンマンとフェスで分けたりしてるのかな。めちゃくちゃポップな "明日には振り向いてよ" もいずれどこかのフェスや対バンでは解禁するかもな。

"ふたりの傷跡" を始めとして新曲もこれからどんどん増えていくだろう。メンバー全員曲書けるし。これからも目が離せないバンドです。また広島来てくれ!

では(=゚ω゚)ノ

 

クレナズム 冬のバリよかワンマンツアー2022

11/27 広島SECOND CRUTCH

セットリスト

01. ふたりの傷跡 (新曲)
02. 白い記憶
03. ウェインは言った
04. さまよう
05. あの人の好きな音楽を聴いた
06. velvet rain
07. 進め。
08. ラテラルアーク
09. ヘルシンキの夢
10. ひとり残らず睨みつけて
11. エピローグまで
12. 花弁
13. わたしの生きる物語
14. 365
15. 紫苑