たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

一本締めNIGHTが気持ち的には何にも締まらず終わった。

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晦日、ライブ納めとして参戦した一本締めNIGHT & CONNEXTIONのライブレポ続き。前半はこちら。

純粋にレポを書きたいところなんだが、ちょっと残念な気持ちになってしまう事があり。苦言を呈すると言うと偉そうだが、今回ここに残しておかせていただく。

 

CONNEXTION終演後、一本締めNIGHTの年越しアクトであるドラマチックアラスカを観るために心斎橋に戻ってきた。夕食を食べた後JANUSに向かい、2回目のドリンク代を支払って再入場。

ちょうどドアラの一つ前のWANG GANG BANDが演奏中だった。後から聞いた話、この日イチの盛り上がりだったそうです。最初と今とで2回入場しているため2枚持っていたドリンク券のうち1枚で交換したドリンクを飲み干す頃にちょうどWANG GANG BANDが終わったのでフロアに入っていった。

すると突然、スタッフらしき男性からテキーラのショットを配られた。何やと思ってたら、何やらフロア後方のDJスペースが騒がしい。なんかDJが音頭を取って "Sex On The Beach" に合わせてセックスセックス言いながら観客にテキーラショットを促している。煽られて大はしゃぎでテキーラを口にする一部のオーディエンス。

えぇ、引きましたね。

あ、そういう事しちゃうんだ、と。まぁ当方陰を極めた人間なのでそういう雰囲気は元々得意じゃないんだが、とは言えこのご時世のライブハウスでそういう事しちゃうんだ、と。挙句にDJが自分の流した音楽に関して「このご時世大声はできないけど小声なら大丈夫!!」と歌唱を煽る場面も。引きましたね。まだまだあるからとショットを配り続けるスタッフ。曲を流して騒ぎ続けるDJ。引きましたね。

気づけばステージにはドアラメンバーが出てきてチューニングを始めていた。DJはドアラメンバーに向かって「全然気にせんとリハ演ってくださいね!!」みたいなこと言うてたけどやりにくいだろ。引きましたね。

幸いそのくだりが押してライブに影響する事はなく、定刻になったらその波は収まり、ドアラの出番が始まった。

とりあえず一旦普通にレポ書きます。

 

ドラマチックアラスカ

2021年も残り30分となったところで始まったドラマチックアラスカ。コロナ禍になってから初めてライブハウスに行った、4月のLIVE TO WEST以来。あの後にリリースされたミニアルバムから "CODE:RED" "人間合格" を連続で投下。"CODE:RED" はアルバム曲ながら短尺公演でもよく演っている印象。エモい疾走感の際立つ曲で、こちらも初っ端から拳を突き上げて応えた。

CODE:RED

CODE:RED

  • ドラマチックアラスカ
  • ロック
  • ¥255

"人間合格" は4月当時に聴いた時にまだ知らなくて、新曲かなと思った記憶。どうやら当時から配信とかでは既に披露していたらしいが。

この曲が謎にメキシコで話題になって、それを受けてメキシコの現地時間に合わせ配信ライブを演ったのも、2021年のドアラのハイライトだろう。

MCでは「一本締めNIGHTのロゴさ…ちんぽやん笑」と年越しテンションのど下ネタをぶっ込みながらも、「この一本締めNIGHT、例年カウントダウンは上手いことやってるみたいなのでしっかり務めたいと思います」と意気込む。過去にカウントダウンでグダったのは一回だけだったようで(誰だったんだろう笑)、「2例目にならんように頑張ります」と気を引き締めた。

そこから続けた "人間ロック" "無理無理無理" の過去曲パートは強かった。"無理無理無理" は何気に久々かも。大サビの歌詞替え定番パート『38℃の体温でここに立っている』で「ジャニスに立っている」と歌ったのは期待通り。

そしてついに年越しまで残り数分。「ドラマチックアラスカの中でも比較的偏差値の低い曲」と称して年越しに起用したのは "ニホンノカブキ"。

確かに安直な4つ打ちで偏差値は低いかも知れないが、コンセプトとして和を取り入れているこの曲は確かに新年を迎えるのに相応しい。時間はと言うと、落ちサビ前まで来てちょうどラスト1分と言う完璧な流れ。一旦演奏を止め、「完璧じゃない!?」と自負するヒジカタ。フロア内も完全に新年を迎えるムードが出来上がっていた。

しかし一方で、ここでもまたさっきのDJ勢がしゃしゃり出てきた。関係者が率先して「フゥーーーwww」とか叫んでどうする。ドアラメンバーに野次まで飛ばす始末。テキーラどんだけキメたのか知らんが周りの客も煽る奴が出てきて地獄。ヒジカタも「今は俺らの時間!!こっちを聴け!!」て笑ってたけど、もっと強く言って良かったのでは。

気分は良くなかったがここでも幸い進行が滞る事はなく、ついに10秒前からカウントダウン。ドアラメンバーの声だけを聞きたかったが、まぁ流石に観客も一緒になってカウントダウンを叫ぶ。俺は腕を上げるのみに留めたが。

そしてカウントダウンはゼロになり、2022年が幕を開けた。ステージにはこの日の出演者であった桃色ドロシーの2人も出てきて巨大クラッカーを発射した。ドアラは熱狂するフロアを従えて、止まっていた演奏を再開。新年の幕開けとともに "ニホンノカブキ" の大サビが始まり、ドラマチックアラスカによる年越しは大成功を収めた。

最後に「今年の悲しいことも悔しいことも全部連れていく」と吠え、ラストナンバー "ファイナルフラッシュ" へ。新年初っ端から『死にたい』の連呼、逆に生への執念が湧く。ドラマチックアラスカによるファイナルフラッシュという初日の出を浴びて、2021年最後にして2022年最初のライブは終わった。

 

セットリスト

01. CODE:RED
02. 人間合格
03. 人間ロック
04. 無理無理無理
05. ニホンノカブキ
06. ファイナルフラッシュ

 

ドラマチックアラスカによる最高のライブを観終わり、残るはトリのプッシュプルポット。と思ったが、やめた。元々遅い時間なので余裕があれば観ようかな程度に思っていたが、それよりも帰りたい気持ちの方が大きくなってしまった。

ドアラの後またDJコーナーが始まり、BTSでフロア馬鹿騒ぎ。連れと抱き合う奴もいた。ディスタンスもクソもあったもんじゃない。あの空間にあれ以上いるのは無理だと思ってしまった。1枚残っていたドリンク券で引き換え、開けずにそのままJANUSを後にした。

 

 

これで自分の2021年最後にして2022年最初のライブである一本締めNIGHTが終了した。

正直、心底残念でした。最初に観た帝国喫茶とSubway Daydreamはもちろん、ドラマチックアラスカも最高だっただけに、周りの関係者が残念すぎた。ただでさえ年越しの雰囲気で舞い上がってる中、DJ側が騒いでたらそら客も釣られて声上げてまうわな。

やっぱりまだカウントダウンイベントは早かったかね。CDJが年越しまではやらなかったの正しい判断だったとすら思う。ドアラのMCの中で、同じ年越し恒例カウントダウンイベントということで「東のCDJ、西の一本締めNIGHT」「だいぶ規模違くない?w」なんて言ってるくだりがあったが、一緒にしたらあかんわあれ。規模の問題じゃない。東のCDJとやらがあんだけ利益度外視で覚悟決めて開催した一方で、何やってんだよ。

「そんなに過敏に気にするなら行くなよコロナ脳(笑)」って声が聞こえてきそうだな。仰る通り。でもね、ライブハウスの中だけはちゃんとしていてほしかったんだわ。実際JANUSの帰り、年明け直後の心斎橋はそれはそれは人の海だった。人多すぎて道頓堀の橋が渡れなかったから迂回した。JANUSなんかよりずっと密でずっと濃厚だった。

でも自分はJANUSの中でDJが客煽って酒配って騒いでる事実の方が悲しかった。この2年近く、散々ライブハウスが槍玉に挙げられ、多くのアーティストが活動を制限され、それでも出来る範囲でリスナーを楽しませようと試行錯誤してきてくれたのに、何ならそれでやっと信頼を取り戻してきたところに波が物語って振り出しに戻ったりして、それでも諦めずに進んできてくれたのに、なんでこの期に及んでどちらかと言うと演者側の人間がそういう事するんだよ。

残念です。俺の2021年ライブ納め、2022年ライブ初め、これなんかぁ。

 

燃え盛った某フェスの主催者は、結局あのあと姿を眩まして逃げ切ってるそうだ。知事がブチ切れてるから同じイベントはもう開催できないだろうが。あんだけ物議を醸した大規模なイベントでもすぐに話題が流れた事を思うと、今回みたいな小さなライブハウスでの出来事なんて誰の目にも留まらないだろう。別に留まらなくていいです。下手すりゃクラスターになるほどの人数も正直いなかった。あのDJもきっと今後何もなかったかのようにどこかのイベントで猿を踊らせるんだろう。もうそれでいいです。このまま何も起こらず俺が勝手に独りでキレ散らかしただけで終わる事を祈ります。

でも願わくば、ライブハウスに関わる人達が、関係者・演者・観客関係なくもう少しの間だけ、節度のある行動の出来る大人になってくれたらいいなと思います。

 

では。