たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

Fireloopに物好きが集まったクリスマスの夜

年末年始連休初日!広島から帰る途中で大阪に寄り、天王寺のライブハウス、寺田町Fireloop pre. RadioDaysに行ってきました!

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年の瀬、帰省に合わせてぜひ行きたかったスリーマン。eo Music Tryの決勝ライブを観て以来ずっと生で観たいと思っていたshandy Wzと、フォロワーさんに教えていただいて聴いて一発でハマったあるくとーーふ。ともに賞レースで受賞実績のある実力者だが、まだまだライブを観られる機会は少ないので観ておきたかった。

その2組の共演に惹かれて参戦を決めたが、せっかく観るならという事でチェックしたもう1組、Kruglyyも、まだ一曲しか発表されていない10代の新人だが、その一曲が刺さったので楽しみだった。もう先載せちゃうけどこの曲。

会場は大阪天王寺の寺田町Fireloop。学生時代から名前は知っていたが行くのは初めて。難波と梅田以外のライブハウスは初かな?天王寺のコインロッカーに荷物を預け、一駅の距離なので徒歩で向かった。

入った瞬間、びっくりしました。ガラッガラ。10人ちょいかな。今までで一番ディスタンス取れた笑 クリスマスというのもあるんだろうが、こんなレベルの集客からみんな地道に頑張っていくんだなぁと。

一番手のリハは開場前に終わってたのか、開演時間の18時半になるとメンバーが出てきて、ぬるっと始まった。

 

Kruglyy

ボーカルの子が「クリスマスという大事な日にここに来る事を選んでくれてありがとうございます!」と伝え、演奏を開始。上手にギターボーカルが構え、真ん中奥にドラム、下手側にベースとギターが並ぶ変わった配置。

まぁ当然ながら曲は先述の "Pop life" 以外全く知らないが、なんせこのバンドに惹かれたのは声である。低くて良い声だ。単に低いオクターブで歌ってるんじゃない。あれは持って生まれた声だ。そしてポップでキャッチーな音楽にその低音ボイスのミスマッチ感が逆に絶妙。

ボーカルとギターが両方眼鏡だけど、ボーカルはめっちゃ背高くて、ギターは結構小柄。加えてベースの子は普通に男前だし、ドラムは紅一点の女の子。メンバーのキャラが立ってて良いな。ギターの子、各曲の間奏で毎回前に出てきてニコニコしながらソロ弾くのも微笑ましかった。この子にはコーラス用のマイクがなかったから、演奏専念なんだろうな。

「ははっ、なーんも喋ること考えてない笑」から見切り発車で始まったMCも若い。「クリスマス感ないな思てローソン行ったらチキン安くなってて。こいつら普段チキンとか買わんのに調子乗って買って…」「ええやんけチキンぐらい笑」みたいな学生って感じのノリが見てて微笑ましいのです。ギターの子マイクないから入らんけどぼそっと「美味しかった!」言うてたな笑

元々持ち時間が少なかったのかまだ長尺出来るほど曲がないのか、5曲で終了。「皆さんまだまだポップ足りてないですよね?この曲でポップを注ぎ込んで終わります!」と "Pop life" はラストに披露。みんな楽しそうに演奏しててまさにポップ。この曲は今後もこのバンドのキラーチューンになっていくんだろうなと思う。

現在音源制作中のようです。初の音源、楽しみにしてみよう。

 

セットリスト不明

 

 

あるくとーーふ

二番手はあるくとーーふ。ボーカルとキーボード(とドラム)が女の子、ギターとベースが男の子という構成は緑黄色社会を思い出させるが、リョクシャカと違ったのはキーボードの子がど真ん中に位置取っていたところ。クレジットを観るとメインで曲を書いてるのはこの子らしいな。

音出しから凝っている。いきなりベースの主張の強いスラップから始まったアレンジから入り、"トリッキーフューチャー" で幕を開ける。『「はじめまして、どーも 名前だけでも覚えていってよ」』から始まるこの曲は、ひょっとして一曲目の定番なのかな?

フォロワーさんにバンドの存在を教えてもらって聴いてハマるきっかけになった "次回予告のその後で" も2曲目に披露。

もう、ポップネスの暴力ですよ。イントロ1秒目から「あ、楽しそう」てなるし、メロディもキャッチーな中に一音だけ半音外した音階が入っててクセになる。手拍子を自然に起こせるリズムなのもライブ映えして強い。

MVのある曲をメインに演っていくのかなと思ったが、ミニアルバム「サイファールーム」をリリースしたばかりなのでそこからの曲がメインだった。初めに演ったのは "きっと私とシンパシー"。この曲はピアノがカッコいい。Cメロ前の歪んだベースの主張の激しさも良いです。

きっと私とシンパシー

きっと私とシンパシー

  • あるくとーーふ
  • ワールド
  • ¥255

MCを挟んで "光の栞" にいこうとしたが、ドラムに少しトラブルがあったようで手直しの時間が。ボーカルの子が少しテンパりながら頑張って繋げてた。でもおかげで "光の栞" のレコーディングの話とか聞けて良かったですね。

これの前の "きっと私とシンパシー"、からの "光の栞" → "オオカミUFO" という流れがアルバムの収録順通りで、買って聴いといてよかったなーと思った。

「高校生の時から大切にしている曲」という初期曲 "ハニーレモンジンジャー" は左右に手を振るくだりが。大きい会場で何百人が手を振る景色が既に想像できます。

この曲、字幕設定ONにすると面白いのでやってみてください。

次のMCにて、Fireloopでのライブは初だと言うところから「ファイアループ」とアルバム名の「サイファールーム」が完全に韻を踏んでるという話に。確かにと思った。良いタイミングで呼んでもらえたねぇ。

その「サイファールーム」の中で一番盛り上がる曲と銘打って始めたのがアルバムのラストナンバー "エピローグからショータイム"。

エピローグからショータイム

エピローグからショータイム

  • あるくとーーふ
  • ワールド
  • ¥255

仰る通り本当に盛り上がる。サビの勢いが良すぎる。このテンポでこのコード進行にハイハット裏打ち乗せたら刺さるに決まってる。2番の『タンバリンちょうだい』の後に来た爆撃みたいな手数の激しいドラムも圧巻だった。このバンド、ポップな楽曲でキーボードの音色が目立つが、何気にドラムが凄い。

そして最後は "春雷フラッシュバック" でクリスマスの夜を春に塗り替えるような爽やかさでステージを終えた。

この曲はAメロの消え入りそうな歌い方に惹かれる。激しい曲では時折攻撃的なこぶしを効かせた歌い方もする一方でこの繊細な表現もできるのは才能だなと思う。キーボードの子が、曲を書いて自分で歌うのではなくボーカリストを立てて歌わせるのも納得できる気がした。

大学進学に伴い早速上京している彼ら、今後更なるブレイクが予想される。「私たちまだクリスマスソングがなくて」「いつか作りたいね!」と話す場面もあったぜひ来年に向けて作ってください。絶対可愛い曲になる。

 

セットリスト

01. トリッキーフューチャー
02. 次回予告のその後で
03. きっと私とシンパシー
04. 光の栞
05. オオカミUFO
06. ハニーレモンジンジャー
07. エピローグからショータイム
08. 春雷フラッシュバック

 

 

shandy Wz

リハからそのまま始まった3番手shandy Wz。サビの弾き語りから入った "キキョウ街" で初っ端から伸びやかな歌声を爆発させる。このバンドの強みはやっぱりボーカルの声だなと。どストレートに届いてくるいい声してる。

MCでは「12月25日、こんな日にこんなイベント、安井さん(Fireloop店長?)も、出てるバンドの皆も、来てくれるお客さんも物好きだなと思います笑」と茶化して笑いを誘った。確かに我ながら物好きだと思います。クリスマスですよ。この日大阪にいた大体の人間は酒飲んでるかセックスしてるかレディクレ行ってるかだったと思いますよ。

あと、この日の3組の中で唯一、このライブが配信もされてる事に触れてた。それを聞くまで俺も配信もやってる事忘れてた。実際配信はどれくらいの人が観てたんだろうな。

MC後、「こんな日にピッタリな曲を」と繋げたのは "プランC 〜いつか覚めるその日まで〜"。がっつり、もうがっつりクリスマスソングだった。

プランC 〜いつか覚めるその日まで〜

プランC 〜いつか覚めるその日まで〜

  • shandy Wz
  • ロック
  • ¥255

その後ライブを進める中で、"憂" という曲で頭からギターの弦が切れて、一曲終わったところであるくとーーふのギターの子がギターを貸しに来る場面が。「おぉ、チューニングも完璧にしてある…!!」と嬉しそうに感謝していた。いいね、あぁいうの。この日はそのまま最後まで借り物ギターでパフォーマンスしていた。

"タクシー衝突事故" という曲があったんだが、何というかUNISON SQUARE GARDEN感の強いトリッキーな曲だった。思えばYouTubeにカバー動画を上げてたりしてたし、スリーピースという事で影響は受けてるのかなと思ったり。

まさかshandy Wzというバンド名もユニゾンの "シャンデリア・ワルツ" から取ってたりするか?

最後に "モーニングエンドロール"。『気づくと朝になっていた』と連呼するサビが爽快である。疾走感と爆音に飲み込まれながら終演した。

モーニングエンドロール

モーニングエンドロール

  • shandy Wz
  • ロック
  • ¥255

アンコールあるのかなと思ってたら手拍子が始まり、すぐにメンバーが再登場。「時間大丈夫ですか?」と気にかけながら準備するメンバー。このレベルだとほんとに、アンコール貰えるのも当たり前じゃないんだろうなぁ。

アンコールは一曲だけ、"プランB〜いつか言えるその日まで〜" をめっちゃくちゃ速いBPMで。マジで笑うぐらい速かった。あれは時間がなかったから速くしたのかな?それともライブ仕様ではいつもあんな感じのかな?面白楽しかった。

プランB 〜いつか言えるその日まで〜

プランB 〜いつか言えるその日まで〜

  • shandy Wz
  • ロック
  • ¥255

ライブは2〜3ヶ月ぶりだったという彼ら。今年は厄年だったそうです。50m先のスーパーで卵買って帰ってきたら全部割れてた話おもろかったな笑 厄年というのもあって(?)アルバム制作やMV撮影の手配を主にしていたが、来年は更に精力的に活動していきたいと。eo Music Tryで獲得した知名度を更に跳ね上げる活躍を来年は期待したい。

 

セットリスト

 

終演後に物販であるくとーーふのTシャツと既に持ってる「サイファールーム」以外のCD、あとshandy WzのCD全部買いました。全部メンバーが直接対応。

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shandy Wzの「UNDRESS OCEAN QUEEN」に関しては何故か「これはもう、あげます」つってタダでくれたw まぁ元々500円やから大差ないけども…ちゃんと聴きますね。

Kruglyyに至っては物販がそもそもなかった。まだグッズを作っていないのだろう。本当に新人だなと。またの機会があればまずは音源をチェックしたい。

 

以上!

間違いなく2021年で一番規模の小さいライブだったと思う。そして演者が一番若いライブだったと思う。駆け出しレベルの若いバンドのライブってこんな感じなんだなと。行って良かった。クリスマス当日にライブって何気に初めてかな。物好きで構わない。Kruglyyも、あるくとーーふも、shandy Wzも、来年の飛躍に期待したいと思います。皆さんぜひ聴いてください。

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では(=゚ω゚)ノ