たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

KANA-BOONのリプレイをずっと待っていました

KANA-BOONのワンマンに行ってきました!

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鮪が療養により活動休止しており、4月に復帰して以来初となるツアー。コロナ禍においては去年OSAKA GENKi PARKで観ているが、やはりその後に足が止まっていた事を考えるとコロナ前から観ていないアーティストよりも久しく感じる。ワンマンは2019年の5周年ツアー以来。2020年に参戦予定だったホールツアーはコロナで中止になっていた。

会場は広島CLUB QUATTRO。物販ではタオルとステッカーとCDを購入。

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普通にデザインがポップで可愛い。KANA-BOON、何気にタオル持ってなかったんだよな。というかライブ行ってる割にはグッズ持ってない。

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ステッカーは日程と会場名が入った各公演限定仕様。えぇ、限定だったら何でも買います。

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CDは「Re:Pray」のシングルの通常盤。初回盤は持ってるからね。えぇポスター目当てです。

 

タオルとスマホとドリンク代だけ持って荷物をコインロッカーに預け、開場から30分後ぐらいに入場。ちょっとゆっくりしすぎた。

当日券が出ていたが、日曜日ということもあってそれなりの埋まり様。クアトロは客の入りが芳しくないと後方席が暗幕で閉じられる事があるが、この日は開放されていた。近くで観られる前方フロアと全体を見渡せる後方席とどっちにしようか迷ったが、前方フロア中央寄りで待機。最終的には自分の後ろにも一列分ほど人が来て、なんだかんだフロアはほぼほぼ満員だった。

 

ほぼ定刻通りに開演。古賀さん、こいちゃん、サポートBa. マーシーさんと順に登場し、最後に鮪。年内ラストワンマンということで音出しから気合い十分。

初っ端から "ないものねだり" を投下してきた。

8年の時を経て先日ついに1億再生を突破した、2010年代前半の邦楽ロックブーム即ちKANA-BOONの時代の始まりの曲。KANA-BOONを「リプレイ」するならオープニングに相応しいと言ったところか。先日のフレデリックが最初から "オドループ" で始めた時に似たものを感じた。

従来なら大サビ前にコールアンドレスポンスがあったこの曲、客に声を出してもらえないこの時代において、鮪は手拍子で参加させる事を提案。落ちサビで少しの間こいちゃんもドラムを止め、観客の手拍子だけでリズムを取りながら歌っていた。「みんな明日からKANA-BOONのドラマ名乗っていいから!」と鮪。

初手観客を巻き込んだ演奏できっちり会場を暖めたところで "盛者必衰の理、お断り" "フルドライブ" とフェス並みのキラーチューンを立て続けに連発。まぁコロナ禍でなければこの時点で汗だくだっただろう。

"盛者必衰の理、お断り" はいつも音源よりちょっと遅いが、ライブではこのBPMで固定なのかな?

"フルドライブ" が原曲通りだったのが新鮮だった。この曲は長らく古賀さんのアレンジでイントロを引き伸ばして引っ張って引っ張って持っていく流れがあったので。

最初のMCでは鮪が他のメンバーを紹介。こいちゃんの時には「みんなと同じ楽器を演奏してます小泉貴裕!」と先の "ないものねだり" で観客を参加させたくだりを回収。サポートのマーシーさんもフルネームでしっかり紹介。

「あなたが聴きたかったKANA-BOONも聴けるかも知れないし、…聴けないかも知れないし笑」とくだけながらも、「バチくそカッコいいKANA-BOONでいきます!」と前置いてMC明け一発目は "ディストラクションビートミュージック"。はい、聴きたかったKANA-BOONです。ここまでマジで4つ打ち裏打ちキラーチューンしかない。鮪が2番Bメロの『ないない これしかないけど』でギター掲げて示したのよかったな。

こいちゃんの入りのドラムで皆が分かった "結晶星" では、イントロに入るまでのギターが初めて聴くアレンジされてた。青白くキラキラした照明も雪の様でよかった。この日くそ寒かったし。

続いて "街色" が始まった時は「おぉっ」と声に出そうになった。カップリング曲ではあるが、思えば復帰一発目の無料ライブでも演ってたし、思い入れのある曲なのかなと思ったり。

と思ってたら次 "ターミナル" で「うおぉぉっっ」と声に出そうになった。多分ちょっと出た。

ターミナル

ターミナル

この日のセトリの中では一番予想してなかったのがこの曲。泉大津フェニックスでワンマンやって "シルエット" 出した全盛期も全盛期の時のアルバム「TIME」の収録曲。今でこそセンター分けの鮪がサビで頭振りすぎて前髪が出来て、「TIME」出した時のあの頃の鮪が垣間見えた笑 照明もいい感じに相まって、ただいまつりの時の輝かしすぎたKANA-BOONを思い出してグッと来た。いや今も輝かしいんですけどね、思い出補正的な話です。俺学生やったし。

あと大サビ前のベースの指の動きすごかった。マーシーさんかっけぇ。

続いて、こいちゃんが入りのドラムで繋いでる間に鮪とマーシーさんが機材を取り替え、"Wake up" へ。ちょっとだけ下げてたな。この曲そんなにキー高いイメージないけど、何か思うところがあったのかな。あと曲終わりに鮪と古賀さんがグータッチしたのよかった。とてもよかった。

鮪が「もういっちょギア上げていきましょ!」と吠え、次は "Torch of Liberty"。OSAKA GENKi PARKで聴いた当時はまだ新曲だったこの曲、しっかり聴き込んで生で観るとめちゃくちゃライブ映えする。この曲の良さは記事一本書いて語ってるんだが、その良さがどストレートに出ていた。良き。

続く "シルエット" はイントロで鮪が「俺たちとあなたの歌です!」と叫ぶ。5周年ツアーで聴いた時は隣の奴が熱唱してて鬱陶しかったので今回はコロナ禍に感謝。笑 大サビ後のコーラス、めしだの声が目立っていたところをマーシーさんが頑張って声張ってた。

MCを挟んで「音楽を好きなあなたへ、"MUSiC" という曲を」とコールされた時は客席から歓声が上がりそうな拍手が聞こえた。8年も前の曲だが、より一層『聞きたくないことばかり聞こえる世界』になっているのが皮肉である。ライブ中だけは『そんなもんは聞こえないようにして』もらった。

次の "まっさら" のイントロで最初にみんなこいちゃんのところに集合したのめちゃくちゃ良かった。めしだが出演した最後のMVにもなったこの曲、疾走感とエモさが共存する。サビ後に声を掠れさせながら吠え続ける鮪がエモすぎた。

ここで真面目というか少し重めのMC。「1人の時間が好きで」「でも孤独がすごく嫌いで」という、孤独についての話をしながら小さく弾くアルペジオで俺は察していたが、そこから入ったのは「ハグルマ」のカップリング曲 "オレンジ"。曲名通りオレンジ色の照明に照らされ、夕焼けの中で聴くような暖かい空間が出来上がっていた。

しかし次は一転「踊り足りてない人はいないですか?」と軽快な "ネリネ" へと繋げる。音源と違ってホーンが無い分古賀さんのギターが映える。マーシーさんもツーステで小躍りしながら指弾きで演奏する姿がかっこよかった。"オレンジ" の雰囲気を跳ね返す様な流れだったなと思ったが、『進め 一人きりでも関係ないさ』『孤独が街灯のライトの中 浮かび上がるけれど』といった歌詞がある事を思うと先のMCとリンクさせた選曲だったのかも知れない。

ネリネ

ネリネ

ここで真面目というかかなり重めのMC。

休養中の生活について。「簡単に人が死んでしまう世の中に絶望して何度も終わらせたくなってしまった」と綴られる当時の心境は大袈裟ではなかったと思う。「待ってくれている皆の事を思うと、まだ向こうには行けないなと思った」と振り返っていたが、本当に音楽を辞めるとかそういうレベルじゃない事態の手前まで来ていたんだなと思わされる。

そこから演奏された最後の "Re:Pray" は感想を言葉にして良いのか分からない程よかった。

明るい曲調なのに、初め聴いた時はめっちゃいいやんと思ったのに、聴こえ方が全く違った。最後、ずっと鳴り止まないアウトロを聴いていた時はただただ呆然と立ち尽くしてしまった。

このバンドにはどこまでも『昨日まで生きていた命だって連れて』いつまでも活動を続けてほしいと願う。

 

 

アンコールでは各々がグッズのTシャツに着替えて再登場。グッズ紹介も一通り実施。

鮪の休養中にメディア対応を担当していた「こがこい」コンビの話に。鮪が帰ってきたから解散かと思いきや、まさかの活動継続らしい笑 ちょけた話も交えながらも、古賀さんがしっかり休養中の活動を振り返って感謝を伝えた。

こいちゃんはむさしのお弁当の話。笑

まぐ「日本の弁当屋さんで一番美味しいよな」
こい「あの唐揚げは太らへんからな」
まぐ「おむすびも太らへんな」
こが「枝豆は?」
まぐ「太らん太らん!あの箱に入ってるもの全部食べても太らんから」
こい「魔法の食べ物やから」

のくだりめっちゃおもろかった笑

そんなゆるいやり取りに続いて、鮪からアルバム制作中とのアナウンス!16曲ぐらい入るらしい。ベストアルバムを出す前からと考えるとシングル曲もかなり溜まっているが、新曲も多そうだ。

そして、そのアルバムから新曲 "メリーゴーランド" を先出し披露。「生きるとか死ぬとかについて考えながら書いた」とのこと。アジカン感の強いルーツを感じるイントロに加えてAメロから早口で捲し立てる、KANA-BOON節全開の曲のだった。

アルバムが楽しみである。来月のファイナルで詳細が発表されるんじゃないかと予想してる。

ラストはこいちゃんのドラムから入り、すっかり締めのアンセムになった "スターマーカー"。昨年、何だかんだで一番好きだった曲。左右に手を振りながら飛び跳ねました。

これで終演。この日はM-1観たかったのでご飯も食べずに直帰しました。錦鯉おめでとう。でも最後に鮪から直帰するようにお願いがあったし、アーティストの意向は最大限尊重する方向で。M-1なくてもダラダラ寄り道することはなかったと思います。

 

以上!

KANA-BOONのライブはフェスもワンマンも含め結構な回数観てるが、今回が一番雰囲気が良かった気がする。セトリやパフォーマンスもそうだが、やはり会場の雰囲気が暖かかった。人気バンドゆえ正直どうしても合唱厨やマナーの悪い層が目立ってしまっていたが、それが今回はいなかった。もちろんコロナ禍だからだが、それでもしっかりルールを守れる人だけが来ているんだなという印象。休養期間を挟んでこのご時世にわざわざ観に行くファンがあんなにいるんです。待たれていた、望まれていたんだなと思う。愛されているバンドだなと思う。勢いがなくなってもベースがいないままでもテレビに出なくなっても聴き続ける。ずっと活動を続けてほしい。

一時停止したKANA-BOON、再生されました。まだまだここから。

では(=゚ω゚)ノ

 

KANA-BOON Re:PLAY TOUR 2021-2022

12/19 広島CLUB QUATTRO

セットリスト

01. ないものねだり
02. 盛者必衰の理、お断り
03. フルドライブ
04. ディストラクションビートミュージック
05. 結晶星
06. 街色
07. ターミナル
08. Wake up
09. Torch of Liberty
10. シルエット
11. MUSiC
12. まっさら
13. オレンジ
14. ネリネ
15. Re:Pray

en1. メリーゴーランド (新曲)
en2. スターマーカー