たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

パノラマパナマタウンがめちゃくちゃPanorama Panama Townになってた

パノパナことPanorama Panama Townのワンマンに行ってきました!

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ドラムの脱退を経て、片仮名表記から英語表記に改名したパノパナ。ヒップホップ路線からインディーロック路線に転じて、というか原点回帰してからの作品がどれも良くて、一度生で観てみたかった。

 

会場は兵庫県神戸市のクラブ月世界。初めて来た。そもそも兵庫でのライブ自体がそんなに経験ないんだが。コロナ直前に行った高橋優のツアー以来かな。

17時半頃に着いて、当日券を買って入場。入ってすぐ左手の物販コーナーを覗いた。買うならタオルかなとか考えてる時に女性2人組が近くに来たので先に譲ったら常連客だったみたいで、スタッフの女性と談笑を始めたので割って入っていけなくなって買うのやめた笑 よくないぞーああいうの。

で、そのまま奥に進んで中へ。半楕円形のステージがあって、中央に椅子の置かれたフロア、その周りにテーブルとソファという構図。そう、このクラブ月世界、元々キャバレーだった場所なのでいわゆるライブハウスのような構造ではない。ゆっくり来たからフロアの椅子は埋まっている。ソファも4人掛けぐらいのサイズではあるが、真ん中付近のソファは大方誰かしら座っていた。まさか人のいるところに後から座らせてもらわないといけないかと思ったが、下手寄り後方に2人掛けサイズの空きソファがあったので滑り込んだ。あれ、4人掛けのところ座ってたら後から誰か来たのかも知れないな…ぼっちに優しくないぜ…笑

 

さてライブ本編は18時定刻に開演、袖からメンバーが登場。変更したのかこの日だけなのか、Gt. 浪越とBa. 田野の位置がこれまでと逆だった。サポートドラマーも上手側にいる特異なポジショニング。

Vo. 岩渕が「よろしく!」とだけ言い放ち、音出しなく "King's Eyes" でスタート。同期で流れるホーンと浪越のカッティングが冴える。

フロアの椅子客や真ん中のソファ客は立ち上がった一方で、自分含む後方のソファ客は座ったまま聴いていたので立ちにくかったが、もう途中から立ちました。上手側の田野っちが観えん。

「調子どうすか!」と問いかけ、2曲目 "いい趣味してるね" に繋げる。この曲は今までMCから曲名コールに繋げて入るイメージだったので、前置き無しで聴くの初めてかも。浪越のギターリフも音源とは違うアレンジが入ってた。

"Algorithm" からの "100yen coffee" と、新譜「Faces」の曲もどんどん投下する。"Algorithm" は音源ではアウトロ無しで終わるが、ラスサビ後にエフェクトで繋げて "100yen coffee" のタイトルコールへと続かせていた。歌詞中では「ワンゼロゼロエンコーヒー」と言っているが、曲名の読み方としては普通に「ひゃくえんコーヒー」なんだな笑

「月世界でずっと演りたかった」と喜びを滲ませたMCを挟み、「思うように、自由に楽しめるようにしてくれたら」と前置いて始まったのは "月の裏側"。アレンジされてて最初分からなかった。聴いたことないけど歌詞に聴き覚えあるな…と思ってたら途中で分かった。「情熱とユーモア」収録の打ち込み感がある原曲に対して、今の路線で再構築したようなソリッドなバンドサウンド。かっこよかった。

次は知らない曲だった。これも "月の裏側" みたいに過去曲のアレンジかなと思ったが、結局最後まで分からず。音源化されてない新曲かな?その次に "真夜中の虹" を原曲のまま演った辺り、ここは過去曲パートだったのかなとも思わなくないが。

どっちにしろあれだな、過去曲というかヒップホップ寄り時代の曲を今の路線で再録したアルバムとか聴きたいなと思った。

ここでがっつり喋るMCタイム。岩渕が月世界の雰囲気について語る。「ストリップの人のね…楽屋に化粧室とかあって。こう…エ、エロいっすね笑」とニヤニヤ笑 でも本当に、元キャバレーなだけあって今まで見た事ない雰囲気がある。ここで演るライブはどうあってもお洒落になるな。

「月世界にぴったりの曲をもう一曲」と最大の再生回数を誇る "ラプチャー" を。

いつの間にやら180万もいっとる。

そのまま「Faces」のまさに顔と言えるトラック "Faceless" へ。曲の展開が目まぐるしくてカッコいいんだよな。アウトロで突然裏打ちになるところも畳み掛ける感じがあって良い。岩渕もマイクから離れて激しくギターを掻き鳴らしていた。

Faceless

Faceless

  • Panorama Panama Town
  • ロック
  • ¥255

続く "氾濫" が終わると、メンバー3人全員がドラマーの方を向いてタイミングを合わせようと身構えるような姿勢に。まさかと思ったら予想通り、スネアの「タンッ」で一気に始まる "Rodeo"。

今年のパノパナの曲で間違いなく一番聴いた曲。このクソシンプルなギターと頭悪いBPMで突っ走る感じが最高。1万再生もいってないのが信じられない。マジで数%俺なんちゃうか。

何なら音源よりさらに速かったな?笑 ここまで立ったり座ったりを繰り返しながら大人見してきたが、この曲のサビだけは拳上げた。「ロデオ! ロデオ!」で突き上げまくった。最高だった。

そこからは「バンドを始めた頃の歌です」と "Strange Days" に繋げ、 "SO YOUNG" "Melody Lane" と改名後2作品のそれぞれラストナンバーを続けて投下。分かりやすくラストスパートに入る。

"Melody Lane" のサビのメロディ好き。

Melody Lane

Melody Lane

  • Panorama Panama Town
  • ロック
  • ¥255

本編ラストは改名後最初に発表した "Sad Good Night"。音源では全編叫ぶように「サグナイ!」と歌ってロックンロールな感じが出ているが、今回は落ちサビで下のオクターブで話しかけるように歌ってて、大人っぽい雰囲気が出ていた。岩渕くんもう完全に「サグナイ」って言ってるな。発音的にそう聴こえるとかじゃなくてカタカナで「サグナイ」て言ってるな。笑

本編は以上!

どのタイミングのMCで言ってたか忘れたのでここで書くが、「Faces」というアルバムの制作について語っていた内容が印象に残っている。メンバーで顔突き合わせて作ったアルバムであり、バンドの顔にしていきたいという気持ちもあるとのことで、改名して再スタートするにあたっての意気込みが感じられた。

今回の公演名も「Face to Face」という事で、このご時世らしいタイトルだなと最初は思っていた。対面=有観客でライブを演ると言う事について、コロナ禍についても絶対触れると思った。しかし岩渕くんは全く触れず、「対面で顔を合わせて演る事、当たり前だけど当たり前のことをもう一度思おうと思ってこのタイトルにしました」と説明。実際コロナ禍での活動についても思うところはあるんだろうが、ついに「対面で演る事は当たり前」という認識が演者側から出てくる段階に来たのかなと、俺は勝手に嬉しくなっていた。

「みんなの顔もしっかり見えてるよって言いたいんだけど、逆光で…笑」とちゃっかりオトしてたのもよかった。

 

アンコールで再登場すると、楽器を担ぎながら「アンコールありがとう」とだけ言い、アルバムでここまで唯一演っていなかった "Seagull Weather" を。

Seagull Weather

Seagull Weather

  • Panorama Panama Town
  • ロック
  • ¥255

いやこれここで演んのかい笑 本編終わった時にもう演らんのかと思ってた。普通に「まぁアルバム全曲演るとは限らんよな〜」とか思ってたよ。まさかアンコール一発目に持ってくるとは。今作で一番ゆったりしてるぞ。イントロnever young beachみたいやぞ。

そしてここに来てクラブ月世界に対する想いを吐露。かつて神戸SLOPEというライブハウスで働いていた井上さんという月世界店長の方との話など。神戸SLOPEって名前聞いたことあったけど、今もうなくなってたんだな。

浪越くんのオチのない話謎やった笑 ジジイみたいなMC言われてたw

月世界で演る夢を叶えたので、次にライブしたい場所として新開地の広場(湊川公園だったかな?)を挙げ、そのまま "SHINKAICHI" へと繋げた。神戸愛がすごいね。

完全に終わりの流れだったが、「また会いましょう!」と短く挟んでラスト "MOMO" を。この曲も好きなので嬉しかった。これも音源よりちょっと速くてもう歌詞何言ってるか分からん笑

最後まで突っ走った勢いのあるライブでした!

 

開演前に行けなかった物販に再度行き、結局タオルとラババン買いました。どちらもシンプルイズベスト。

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以上!

 

クラブ月世界、良い会場だった。そしてその雰囲気に飲まれないロックながらもお洒落なライブだった。やっぱりヒップホップよりもこっちの方が大人びていてかっこいい。英語表記に改める理由も分かる。バンドの寿命も伸びるんじゃないかな。一時期はちょっとどんどん違う方向に行ってるかな…と思ってたけど、撤回してこれからも注目したい。

パノパナのワンマンは実は2回目でして。2019年の4月に、「情熱とユーモア」リリースツアーの広島公演を観に行っている。でも、当時はそのレポを書かなかった。ライブに行った翌日にヒトリエのwowakaの訃報が発表され、レポを書く気になれなかった。

だから今回、再びワンマンに行ってこうして語る事ができて良かった。別にブログをリベンジするために行ったわけじゃないけど、ちゃんと曲を聴きたくて行ったけど、ほんとよかったです。

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では(=゚ω゚)ノ

 

Panorama Panama Town One-man Live 2021-2022 "Face to Face"

12/11 神戸クラブ月世界

セットリスト

01. King's Eyes
02. いい趣味してるね
03. Algorithm
04. 100yen coffee
05. 月の裏側
06. (不明)
07. 真夜中の虹
08. ラプチャー
09. Faceless
10. 氾濫
11. Rodeo
12. Strange Days
13. SO YOUNG
14. Melody Lane
15. Sad Good Night

en1. Seagull Weather
en2. SHINKAICHI
en3. MOMO