たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

これバズランキングがAdoを入れていなかった事については一回真剣に考えた方がいい

"うっせぇわ" のYouTubeのMVの再生回数が1億を突破した。完全に社会現象になりましたね。これはもう「バズった」と言って差し支えないだろう。

で、バズったと言えば。

毎年恒例の、バズリズムの「これがバズるぞ」、通称「これバズ」ランキング。ここ数年欠かさずチェックしてます。いつも思うんですけど毎年荒れますよね。「既にバズってる」「もう売れてるのばっかり」という意見が毎年噴出する。

改めて2021年のランキングを見てみましょう。

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まぁ色々ツッコミどころはあるんだけど、今思うと "うっせぇわ" のAdoが入ってないんですよね。放送当時も「Adoは入ってると思った!」て声をちらほら見かけた。で、誰それ?と思ってYouTubeで検索してみたら "うっせぇわ" が出てきた。その時から既に4000万回ぐらいは再生されてた記憶。で、結局今こんだけバズり散らかしてるわけです。

そこで、今日の本題なんですけど。

もう「これがバズるぞ!」と言って特定のアーティストのブレイクを予想できる時代じゃなくなったんじゃないかなと思うんです最近。

 

年間単位で見た時の「バズる」って「その年に於ける前年からの伸びが、それ以前もしくはさらにそれ以降の伸びと比較して著しく急激である」ことだと思うんです。知名度、メディア露出、ライブの動員や会場のキャパ、MVやストリーミングの再生回数、何でもいい。

その意味で行くと2021年の今一番バズってるアーティストって間違いなくAdoだろう。続いて挙げるならTikTokの優里や川崎鷹也辺り。あとAwesome City Clubのバズなんか誰も予想してなかっただろ。この辺、2021年のランキングにだーれも入ってないですよね。ACCの "勿忘" はともかく "うっせぇわ" も "ドライフラワー" も2020年の曲なのにさ。"魔法の絨毯" なんかもっと前らしいやん。

もう一年遡るなら2020年のランキングにYOASOBIも瑛人も入ってないです。"夜に駆ける" も "香水" もリリースは2019年なのに。

なんならYOASOBIは今年選ばれてる。確かに今年は幅広いタイアップを掴んでより一般層に浸透していくだろうけど、「バズった」のは去年でしょ。瑛人に至っては年明けた途端ちゃんと消えた。無情だなお前ら。

でもこれ別にバズリズムが見る目ないとか言いたいわけではなくて。音楽関係者が目をつけ損ねてたコンテンツを、SNSに敏感な一般人の方が早く見つけていたという現象が起こるのが令和なんだろうなと思うわけです。そうでなきゃ音楽関係者がAdoのヒットを予測できてない事実はもうまずいでしょ。まぁこれで2022年のランキングにAdoが入ってきたらいよいよ音楽関係者各位プライド捨てに来たなと思わざるを得ないけど。

やっぱりそれだけアーティスト単位でブレイクを予想しにくい時代になってるんだろうなと思う。バイラルチャートとやらが人気の指標の一つになったように、楽曲単位でバズる時代にシフトした印象。所謂「一発屋」を量産するだけで、アーティスト自体の知名度を短命にしてしまいそうで、あまり好きな流れじゃないんだけどなぁ。

 

だからこれバズランキングが「既にバズってるアーティストばっかり」になるのは当然なんだよな。界隈で大概話題になってる人を改めて推すしかないんだよもう。だからこそワンツーにVaundyと藤井風とか来るし3位に今更YOASOBIなんか来るんだよ。

それに1位、2位辺りに選出されたアーティストって、業界からしたらそのランクイン実績そのものが売り文句になるからプッシュしやすいんですよね。本人たちが全く驕ってなくても。2020年1位だったNovelbrightなんかまさにそうで。「これがバズるぞ!」じゃなくて「これをバズらせるぞ!」って言う業界の意志表示とすら思えてくる。

そう考えると、逆に選ばれたアーティストは寿命が伸びるのかもしれない。今更感のあるランクインであったとしても。単発のバズじゃなくて、活動を続けていく上での長期的なブレイクができるアーティストを音楽関係者は選んでいるという見方。だからこそ一般人がTikTokで踊りやすい曲と、プロが注目する楽曲との間に乖離が出るのは仕方ないのかなと。

そういう意味ではVaundy藤井風YOASOBIは2022年以降もずっと売れ続けそうだし、逆にAdo、優里、川崎鷹也とかがこれからも持ち上げられるかどうかは2022年のランキングに入ってくるかどうかに注目なのかも。流石に年内は消えないだろ。

Awesome City Clubは絶対に消えさせるなよ。

 

TikTokの台頭に加えてコロナ禍も相まって、一般リスナーの音楽に対するアンテナの張り方が変わったんだろうなと思います。ご時世を鑑みて、エンタメにおける「バズる」の定義はそろそろ見直したほうがいい時代なんじゃないかな〜と思いました。音楽に限らず。まぁ、コロナ禍が終わったらまた流れは変わりそうだけどね。

 

では(=゚ω゚)ノ