たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

「行っておけばよかった」よりは、せめて「行っておいてよかった」を

もうすぐ終わりを迎える2020年、タイトルに掲げたことを強く思った一年間だった。

 

個人的に、昨年2019年はめちゃくちゃライブに行きまくった一年だった。社会人2年目、一人暮らしにも慣れ、仕事も板についてお金もそれなりに余裕が生まれ、余暇をほとんどライブに費やした。マジで出し惜しみしてなかった。行きたいライブほとんど全部行ったと思う。

今思えば、めちゃくちゃ幸せな1年間だったんだなと思う。

 

言わずもがなこのコロナ禍でにおいて、ほぼ一切のライブがなくなった。ギリギリまで調整を粘った末に開催乃至振替公演が叶わず中止を決めたものも少なくない。

もちろん行かなくていいライブ・なくなっていい公演なんか一つとしてないし、去年行ったからいいやとか前に観たからいいやとか割り切れるものではない事はライブに行く人間なら誰もが理解している。

ただ無理矢理にでも言い聞かせるとするのであれば、少なくとも「行っておいてよかった」「あの時観ておいてまだよかった」と思える事は幸せなのかなと思う。そのライブに行かなかった・行けなかったままに今の現状を迎えた人達も多くいると思うと余計に。

自分の去年行った印象に残っているライブを思い返すと、本当に去年行っておいてよかったなと思える。

 

2019年、ワイルドバンチやハルバンなど、広島に来たからこそ参戦できるイベントにいっぱい行った。
2020年、それらは全部中止となった。

2019年、社内研修で関西の事業所に行くのにくっつけて関西のライブに行きまくった。
2020年、一つ下の後輩は同じ研修を全てオンラインで受けている。

2019年、初めてサマソニに行った。台風で大変だったけど今では良い思い出だし、レッチリの圧はすごかった。初めて海外アーティストを観る機会になった。
2020年、外国人の入国制限のニュースでツイッターは荒れている。

2019年、出張にくっつけて下北沢にてに行った。初めての東京ライブで、観たかったバンドをいっぱい観られた。
2020年、東京に出張しようものなら冷たい視線を向ける人がいる。逆に東京の人間が出張でこちらに来る日は接触したくないからとテレワークにする人もいる。

2019年、学生時代からずっと行きたかったレディクレに行った。広島から直接向かい、終わったらそのまま実家に帰った。
2020年、レディクレはタイムテーブルまで発表しておきながら中止を余儀なくされた。自分はレディクレには行く予定はなかったが、帰省の予定も普通になくなった。

 

ただ、この「行っておいてよかった」と言う感覚、コロナ禍において再認識したことではあるが、正直コロナ関係なく、アーティストの今のままでの活動がいつ足を止める事があるか分からないことを思うと、普遍的なものでもあると思う。コロナがいつ収まるかは分からないが、極論、コロナさえ収まったらいつでもライブできる状態ってだけで尊いんだよ。コロナ禍を乗り越えた先の世界を見ないままに解散や休止したバンド、脱退したメンバー、亡くなった人、この1年間で腐るほど耳にしてきた。

 

自分にとっての「行けていてよかった」の最たる例が、BUMP OF CHICKENである。

2019年、中学時代から10年以上聴いているBUMP OF CHICKENのライブに初めて行けた。5回目ぐらいの先行でやっとチケットが取れた。
2020年、チャマが文春砲を喰らい、活動を休止することを発表した。

10年も聴いている一番好きなバンド、一度も生で観ないままコロナですらないクソしょうもない理由でメンバーが欠けるなんて事が起こっていたらどうなっていただろう。いや、クソしょうもない理由でメンバーが欠けた事実は変わらんのだけども。笑

行っていてよかった。このまま行けないまま、観られないままで終わらなくてよかった。本当に行っていてよかった。

 

一方で、もちろん自分にも「行っておけばよかった」の例がある。

赤い公園というバンド。

2019年、ライブに行こうかと考えたが、資格試験の直前だったので諦めた。それなりに勉強は積んでいたが、何となくやめておこう、また次のツアー行けばいいやと思った。
2020年、念願のチケットを取っていたツアーは中止になった。

半年後、津野米咲がこの世を去った。

行けばよかった。このまま2度と観られなくなるとか予想できるわけなかったけど、行けばよかった。

本当に行けばよかった。

なんぼ言ってもしゃーないんですけれども。

 

程度の差はあれこういう「行っておいてよかった」「行っておけばよかった」と言う話は多くの人に色んな例が当てはまるんじゃないかなと思うんです。で、どうせ今のこの世界でマスクして歓声を上げずに生きていくことを避けられないのであれば、せめてこれから先は、「行っておけばよかった」と思う人が少しでも減ってほしいなと思う。

一時期再開し始めたライブもまた第3波の到来により中止の流れが復活しつつある。なんだかんだ春になったらまたもう少し収まるんじゃないかなと思ってるが、とは言えこのグレーな平行線はいつまで続くか分からない。正直もう収束はしないだろうし、何なら当分新しい生活様式に従ったライブしかできなくなる事は覚悟している。

それでもいいから、少なくとも自分は春先からまたライブに行こうかなと思っている。周囲の目を気にしないといけないから様子は見るが、どこかのタイミングで行き始めようと思っている。1発目のライブハウスはこのバンドがいいなってのがふんわりあって、そこに照準を合わせるが為に時期はずれ込んでいくかも知れないけど。

もちろん、行ける環境にある人はガンガン行ってほしいし、既に行ってる人はもうありがとうございますですよ。どの立場なんって感じやけど。まだ我慢してる人・せざるを得ない人は、もう少しだけ一緒に頑張りましょう。どの立場なんって感じやけど。行けるようになったら、後悔のないようにいっぱい行きましょうね。どの立場なんって感じやけど。

 

あと3ヶ月ぐらいかな。最後にライブハウス行ったの2月の終わり頃だから、ちょうど丸々一年振りくらいになると思われる。もう「行っておけばよかった」ってならないように、いっぱい行きたいと思います。それまでは、うちで踊ろう。

 

良いお年を(=゚ω゚)ノ