先日のMステの評判が割と酷かった。サブスクの台頭に肖り、スタッフが独自に選んだプレイリストをランキング形式で紹介していく企画をやっていた。
リアルタイムでは観てなかったんですよ。ちょっと出かけてて間に合わなかった。そのあと22時からのMIU404に間に合えばよかった。
で、ツイッターだけ追ってたら評判がなかなか酷かった。大体察しはついたがどんな感じだったんだろうなーと思いつつ、一応録画しておいた分を観てみた。
文句しかなかった。
正直この企画に尺取ってアーティストのパフォーマンス削られてんのがそもそも気に食わんのだけど、百歩譲って流行りの楽曲を紹介するならまだしも、恒例の謎一般人のコメント。知らんがな。これやってるその数秒でもう一曲流せるだろ。何ならその数秒が蓄積して1分にでもなればアーティストのパフォーマンスがワンコーラスからフル尺にできるかも知れんだろ。
あとこの10分ぐらいのVTRのあとやっと始まったトップバッターがmiletだったんだけども、
最初の画像をもう一度見てみると
います。もういます。番組の冒頭からバックバンドの方々含めみんなスタンバッてたんです。これVTRの間10分ぐらいずっと立って待ってたってことだよな。しかも途中なんかイントロクイズみたいなの答えさせられてたしな。自身のパフォーマンスに向けての曲振りVTRならともかくわけわからん映像+クイズの間立たされっぱなしは可哀想だろ…
続いて芸能人にプレイリストを紹介させるコーナーも。杉野遥亮が自身のプレイリストを紹介していた。
主にRADWIMPSをフィーチャーしており、触れてはなかったけどヒトリエが入っているのも嬉しかった。
さらにはマカロニえんぴつ。事前に公式から告知があった通り、"溶けない" のMVも流れてしっかり紹介してもらってるなーと思ってたら
いやいやいやいや
下手したらマカロニえんぴつのファンの中で杉野遥亮の印象悪くなるぞこれ。
「歌詞はちゃんと聴いてない」
→「みんなは歌詞も聴こう!」
てこれ音楽番組で謳うフレーズじゃないと思うんやけど…まぁネタにマジレスって言われるんやろうけど…
芸能人で言うともう一つ、映画の宣伝で城田優と志尊淳が登場したコーナー(音楽番組で俳優が映画の宣伝…?て言うのはもう置いといて)。
この2人に関してはもはやプレイリストの紹介なのかどうかも怪しくてただただイケメン2人が尊いだけのVTRだったけど、まぁ最終的に "奏" の紹介に移ってこの後のスキマスイッチに繋がってはいたんやけど
「志尊淳&城田優がカラオケで熱唱する曲」てもはや楽曲としての紹介になってないし。。。
あっあとスキマスイッチもmiletと一緒でVTRの間10分ぐらいスタジオでスタンバイしてましたね。これの前に流れた知らん女子高生のリモート会議のくだりの時からずっと待たされてましたね。
その女子高生のリモート会議の時はツイッターが一層荒れてたなぁ。
思ったのは、このVTR自体を全否定する気はないけどさ、この子たちに罪はないんやけどさ、
そこまで使うんならオレンジスパイ二クラブのMV流したらどう???
というわけで貼ります。
久々に観たら再生回数アホみたいなことになっててびっくりした。コメント欄も香ばしいし。TikTokってすごいんだなほんと…
しかしまぁ紹介されてる楽曲のMVよりも知らん女の子のお喋りが放送される音楽番組って何なんだろう…と思った。
この回のMステを見てて思ったのはこんなところ。なんか色々、なんかなぁと思ってしまった。
んだけど、そんな中で、ある有名な音楽ブロガー、むらたかもめさんのツイートを見てハッとした。
Mステの構成が世間にウケる音楽番組だとしたら、アーティストのパフォーマンス中心で曲をフルで流すことが多い『CDTVライブライブ』はプロデューサーが会社と戦った末に視聴率度外視で枠を勝ち取ったのではと想像してしまう
— むらたかもめ🌏音楽ブログ (@houroukamome121) 2020年8月14日
そんな妄想をするとCDTVから音楽への愛を感じてしまうし尊く感じてしまう
そう、世間的にはMステの演出は喜ばれるものなのかも知れない。こんだけ文句垂れてんのって自分たちだけなんじゃないかと。
先日のCDTVのヒゲダンフェスが本当に素晴らしかったからこそ、比べてしまう自分がいる。CDTVがあんだけ盛り上がってたの見てMステは危機感ないんかとか思ってしまう。
お前らが嬉々として紹介してるそのプレイリストに名前が載ってるのを数秒間写されただけの "FIRE GROUND" 、CDTVではフルで演奏してたけど?って思ってしまう。
でも、むらたさんが言うように、テレビ番組としてはむしろCDTVの方が世間にウケることを意識していない異質な構成なのかも知れない。言われてみれば、自分たちがそのクオリティを有難がって絶賛したヒゲダンフェスが、違う誰かにとってはクソ退屈な1時間だったこともきっとあるだろう。
どっちが正解とかじゃない。そもそもCDTVとMステがもう対比するもんじゃないように思えてきた。少なくとも、もうミュージックステーションは音楽を音楽として提供する番組じゃないと思った方がいいんじゃないかと。
そしてやはりそのMステ式の方が世間に求められているのだろうなと思う。音楽を趣味として深掘りしたり芸術として鑑賞したりする人と、生活を彩るBGMとして消費したりコミュニケーションのツールとしてトレンド把握に用いたりする人とでは、きっと後者の方が多いからだ。もっと言えば後者はほとんど前者を包含しているとも言える。お金を払ってフェスに行っている人ですらどちらかと言えば後者寄りなこともあるから。
そう考えると、Mステは良い音楽・良いアーティストのパフォーマンスを紹介する事よりも、パフォーマンスはそこそこにして流行りの音楽やその楽しみ方を提供する番組としての一端を担うように意識しているのかも知れない。思えば放送時間が変更になるタイミングでそんな感じのこと宣言してたような。多分俺も全然知らんダンスグループの曲フルで演られたら鬱陶しいしな。
むしろそれを意識すれば今回のMステの演出は正しいというか、目的に沿えている。「イントロのギターリフに注目」とか「サビの歌詞が秀逸」とか言われるよりも「人気俳優も好きな一曲」って言われる方が親近感は湧くだろうし、MV垂れ流されるよりも一般人が良さ語ってるの見る方が同じ一般人やライトリスナーにスッと入ってきて間口は広がる。
あ、でもVTRの間やたら長時間演者立たせっぱなしにすんのはやめたげてくれ。
だから、もうミュージックステーションは音楽番組ではなく、たまたま題材が音楽であるだけのトレンド情報番組だと思った方が割り切れていいんじゃないかなって。ヘビーリスナーの自分たちがライト層向けの番組に噛み付くのもおかしな話だ。好きなバンドが出るからその演奏を楽しみに観る、というより(もちろんその観方も続けてはいきたいが)、新しい情報をインプットする場として利用するのも手ではないか。逆に詳しくない色んな人に知ってもらえる機会だ。
実際今回そうだったもん。マカロニえんぴつに期待しすぎてズッコケた一方で、何となく流し見してたキンプリめちゃくちゃ良かったもん。平野くんが歌詞間違えたのに対して他メンバーが笑ってフォローしたのとか本人がその後うまいこと言うて切り返したのとか微笑ましすぎたよ。めちゃくちゃ好感度上がったよ。てか普通に好きだあの曲。
ミュージックステーションは、各ジャンルにおけるライト層がより多くの新しい領域に片足突っ込む機会となる番組である。そう思って観ていけたらいいなと思うし、やるならこの番組には立ち位置を突き詰めてほしい。
なんか番組の感想つらつら書くだけのつもりだったのにめちゃくちゃ語ってしまったよ。笑
では(=゚ω゚)ノ