米津玄師がサブスク解禁した。ついにやった。アルバムを出すこのタイミングでやると予想してた人も多かったけどマジでやった。
RADWIMPSがサブスク解禁した時は何かのストリーミングランキングで1位から100位まで独占したって話題になったけど、米津玄師もそうなりそう。
ただ米津玄師100曲ないんだよな。だからそうなると必然的に全曲ランクインするんだよな。それはいいんだけど必然的に「米津玄師の曲の中で一番聴かれてない曲」が分かってしまうのアレだな。
そんな事よりちょうど最近書くことなかったので、このタイミングで米津玄師の各アルバムとシングル曲からお気に入りの曲を語っていこうと思う。アルバム4枚から2曲ずつで計8曲、キリ良くなるようにシングル曲からも2曲、合計10曲。
シングル曲
MAD HEAD LOVE
意図的に初期曲を選んでます。懐古厨とでも何とでも呼んでくれ。だってここ3,4年の表題曲なんかみんな知ってるじゃん。
イントロから中毒性のある不協和音、ボカロ時代をそのまま持ち込んだ早口リリック、サビ後半だけ入ってくるハイハット裏打ち。もう当時ドツボだった。『殴り殴られ乱闘中!』『騙し騙され混乱中!』のように、歌詞に感嘆符が出てくるのもボカロ感が残ってる。ヒトリエのwowakaなんかは最期までこの色を出し続けていたな。
もう今の米津玄師からこの手の曲が出てくることは無いと思う。だからこそ良い。別にまた歌ってほしいとは思わない。だからこそ良い。ベイビビアイラービュー。
"アイネクライネ" を気に入って米津玄師を好きになった後、自分としては初めて「米津玄師の新曲」という認識を持って聴いた曲。サビの『色とりどりの花でできた』『何かから守るためなのか』のところの三連符が独特で惹かれた。
カラオケでも歌った。Cメロの『2人が選んだ道次第』の「ち」が一番キー高くていつも死んでた。高音ってイ段の音が一番出しにくいんだよな。口開かないから。なおサビもずっと高いからCメロからそのまま大サビで這い上がれなくなります。
MVもカラフルで綺麗。今となっては貴重な「ギターを弾くソロ米津」も観られる。今出していたらそれはそれは話題になっていたであろう一曲。今からでも億再生ペースで伸びないかな。
1st「diorama」
ゴーゴー幽霊船
「ハチ」から「米津玄師」へ。その原点。
映し出される歌詞を観ながらMVで聴くのが好きだった。歌い出しの『ちょっと病弱なセブンティーン』に始まり、『空の雷管とペーパーバッグ 馬鹿みたいに呼吸を詰め入れた』『少年兵は声を紡げ そこのけ粒子の出口隠せ』『みてろよ今度は修羅に堕ちて』とかのフレーズが好きだ。意味は分からんのに。
MVもこの頃はまだイラストに荒削り感があって可愛いよな。サビ終わりに出てくる黒子みたいなキャラがどんどん増えていくの可愛い。ラストの『あんまりな嘘と知るのさ』のところとか圧がすごい。
スペシャのランキングで紹介されてるのを観た覚えがある。もちろん「よねづけんし」と読むなんて知らなかった。今となっては幻の様な記憶にして貴重な体験である。
乾涸びたバスひとつ
ボカロ色が色濃く残っていた当初からこの手のミドルテンポの優しい曲が魅力を放っていた時点で、現在の国民的ヒットは約束されていたのかも知れない。
サビ後半の『何でもないような秘密つくって 二人は共犯者になって』のところが、フレーズもメロディも好きすぎてですね。「なんか上手いこと言えんけど良い歌」て理由で好きになれる一曲です。
最後の最後でやっと「ひからびた」て読むと分かったって方は少なくないはず。「かんこびたって何…?」と思ってたって方は少なくないはず。
2nd「YANKEE」
花に嵐
自分の中では未だにこれを越える爽やか米津は出てきていない。AメロBメロサビCメロ全てのメロディが好き。
こんなに爽やかなのに、『雨と風の吹く 嵐の途中で 駅は水面に浮かんでいる』から始まるように、歌詞の中の世界は土砂降り。でもサビは『この嵐がいなくなった頃に 全てあなたへと伝えたいんだ』で締めている。嵐が去った後に待つ『あなた』への期待だけでこんなに希望を抱ける世界観に仕上げられるもんなのか。ポジティブお化けか。
カルピスのCMで水の入ってないプールを掃除しながら燥ぐ制服の高校生4人組(男女2人ずつ)の描写とともに流れてそうな曲第1位。シーブリーズのCMでもいいな。この曲聴きながらだったらシーブリーズでも飲めるわ。
しとど晴天大迷惑
前述の "MAD HEAD LOVE" "ゴーゴー幽霊船" を凌駕するボカロロックサウンド。イントロ1秒目から爆発力が強すぎる。未だにシャッフル再生で出てきたらめちゃくちゃテンション上がる。
歌詞のワードチョイスもボカロ寄りだし、ろくでなしの生活を歌った卑屈な世界観はこの時期ならでは。何言ってんのか全然分からんけどこの語感がもう好きなんだよ。
カラオケでもよく歌った。米津玄師本人以外が発する『ぱっぱらぱ!』は地獄ですよ皆さん。
3rd「Bremen」
歌詞をじっくり鑑賞したいストレートな失恋ソング。
『味気ない風景だ あなたがいないのならどんな場所だろうと 出会う前に戻っただけなのに どうしてだろうか何か違うんだ』
は切なすぎる。経験はないのに共感してしまう。
また『刻んでいた互いのテンポは 同じでいたのに いつしか少しずつ ズレ始めていた』というメトロノームに喩えた表現や『すれ違って背中合わせに歩いていく 次第に見えなくなっていく これからも同じテンポで生き続けたら 地球の裏側でいつか また出会えるかな』という幾何学的な歌詞は、BUMPやRADに通じるものがあって、ルーツを感じる。
お得意の自前アニメーションも映える一曲。
Blue Jasmine
アルバムがあればその数だけ「最後の曲」というものが存在するわけだが、米津玄師のアルバムのラストナンバーの中ではこの曲が一番好き。
『これから僕らはどこへ行こう?』からの少しずつ下の音を沿った『ねえダーリン何処だろうときっと』のメロディが好きすぎる。入りと終わりが両方アコギなのも良い。『いつでも僕は確かめる 君を愛してると』でアルバム締めるのずるすぎませんか?濡れるわ。
4th「BOOTLEG」
いやもうこれをアルバム曲と呼んでいいのか分からんけども。
2番の『ぶっ飛んで行こうぜもっと』からのとことかよく舌が回るよほんまに。
米津玄師はこの後このアルバムにおいて "打上花火" を、程なくして "パプリカ"、さらに今作「STRAY SHEEP」では "まちがいさがし" と、提供曲を軒並みセルフカバーすることになる(だから "カイト" も期待している)が、これらの曲は全て生身の人間への提供だから人間が歌う事を考えて作られている。でも「ボカロ曲」として構築した、この "砂の惑星" まで結局自分でも歌ってしまう米津玄師がつくづく恐ろしい。まず当時のタイミングでまたボカロ曲を投下しただけでも驚愕だったのに。人間じゃないんかも知れん。
爱丽丝
King Gnu常田が参加している楽曲。今思えば意識して聴くと確かにめちゃくちゃヌーサウンド。あと何気にベースが八十八ヶ所巡礼のマーガレット廣井。何を思って揃えたんだこのメンバー。
『曖昧な意識で彷徨った摩訶不思議なアドベンチャー』『何の話をしていたっけフラついて零したブランデー』『側には群がる人と目を見張るドローン』とサビでは一貫して韻を踏んでおり、ダークな世界観ながらもキャッチーでスッと入ってくる。
このアルバムの中では一番攻めてる曲だなと思う。攻めの姿勢でもないと曲名に中国語の簡体字なんか使わん。
以上!
なんだかんだ有名どころしか知らない・最近の曲しか知らないて人がいれば、サブスク解禁を機に聴いてみてもらえたらと思います。
むしろ何ならハチ時代の曲は全然知らないので詳しい人いたら教えてください。ボカロへの抵抗は米津玄師とwowakaが取り去ってくれた。
とりあえず早く『STRAY SHEEP』を聴かなければ。いや、旧作と一緒にサブスクで配信されてるけど、やっぱり盤で聴きたいじゃないですか。早く買いに行こう。
実家の母が先に買っててめちゃくちゃ笑いました。でも俺も買うもんね。これでもう一世帯に2枚。そらフラゲ日で100万枚行くわな。もうほんますごいの一言しかないです、米津玄師。
では(=゚ω゚)ノ