たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

高橋優のフリースタイルを食らってきました

高橋優さんのツアー、神戸公演に行ってきました!

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特筆はしていないけどこのブログでも度々一番好きなアーティストだと言っている高橋優さんのワンマン。2011年ぐらいからずっとツアー行ってるけど、前回のツアーだけ行けなくて初めて連続参戦記録が途切れていた。というわけで2年空いただけやけど久々感がすごい。

2019年は、積極的にライブはしてたけどリリースが無かった。そのため、今回のツアーは全くセトリに予想がつかない。そういった点でもめちゃくちゃ楽しみにしながら臨みました。

 

会場は神戸国際会館三ノ宮駅から目と鼻の先。開演30分前ぐらいに入場。

物販、特に目当てのものは考えてなかったけどとりあえず覗いてみようかなと思ったら、とんでもない長蛇の列。やめた。グッズ諦めた。いいよ節約できたよ。つかあれ最後尾の人たち開演間に合ったんかな。

 

ありがたいことに一階席でした。後ろから数えた方が速いぐらいの列ではあったけど、ホールなのでステージ全体をしっかり見渡せる感じでむしろ良い。

ステージにはツアー名の「free style stroke」の文字が描かれた緞帳。この奥ではもうバンドメンバーがスタンバッてんかな、どんなセットがこさえられてんだろうな、とか考えながら開演を待つ。

あ、そういえば開演までに流れてた場内BGMでCAT ATE HOTDOGSの "Drops" が流れてた!優さん本人セレクトなんやろうか…聴いてはるんやろうか…この曲しか分からんかったけど他も同じ感じのバンドの曲やったりしたんやろうか。

 

殆ど定刻にスタート。ホールライブ、というかこれだけの規模のライブにしてはきっちりしている。ゆっくり場内の照明が落ちて歓声と拍手が起こる。

コツコツと足音の様な音声が流れ、数秒後に止まった。青い照明が逆光して見えないが、緞帳が上がっている様子はないな…?と思っていたら、スポットライトに照らされたステージ真ん中、緞帳の前に優さんがギター持って立ってた!

一気に大歓声。マジで意表突かれた。新しい。登場の瞬間が一番盛り上がるのに、照明点いたらもういるって何よw ほんま毎回演出が凝ってるなぁ。

 

そのまま1曲目、アコギ一本で "駱駝" を弾き語り。緞帳閉まったままなのでバンドメンバーもいない。ギターと歌声と、観客の手拍子だけが響く。相変わらずクッソ歌上手い。歌を聴かせに来てんだと伝えるかの様なオープニングやった。

弾き語りツアーやったっけ?と一瞬ちょっと不安になったのは内緒。

 

"駱駝" が終わると再び暗転し、緞帳が上がった。バンドメンバーも全員ステージ上に揃ってる。

始まったのは "TOKYO DREAM"。相変わらず予想のつかん選曲や。弾き語りからバンドセットになったので、更に全力。初っ端からえげつない声量。大サビ前の『モンスター或いはそこのあなた』でフッと囁く様な声に落としてからの一気に張り上げるところまで持っていく歌い方鳥肌立つわ。

TOKYO DREAM

TOKYO DREAM

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

からの "こどものうた"。『絶望の平成』って歌詞を、令和に替えずそのまま歌ってたのが印象的。普通のアーティストならこういうところって安易にアレンジしそうなもんやけど、それをしないのが高橋優らしいなと。あくまで平成に書いた曲やから平成のまま残しておこうと思ってるんやろうし、歌のテーマにもなってるセクハラや虐待って実際令和になっても残ってる事実もしっかり踏まえて、でも敢えて、というのもあるんやろうな。

あとキーボードのはっちゃんがヘドバンしながら弾いてて笑った。振り乱す髪ないのに。

 

MCではツアー名の「free style stroke」について。「フリースタイル」と聞くと最近ならラップバトルのフリースタイルが浮かぶけど、水泳競技の自由形、という意味で使っているらしい。毎回CDを買ってる自分にはあまり関係のないトピックだったけど、高橋優も2018年に全曲のサブスクを解禁した。それを踏まえて今回のツアーは「過去の曲を今の自分がどんな風に歌えるのか、自由に演ってみたい」みたいな意味を込めて今回のツアータイトルにしたとのこと。

というわけでその後のブロックはマジで過去のアルバム曲を連発。"靴紐" "君の背景" "気ままラブソング" "未だ見ぬ星座" と、リリース時期までバラバラ。 "気ままラブソング" 以外はMVすら無い。えげつない選曲。

高橋優にハマったのは「リアルタイム・シンガーソングライター」がリリースされた少し後だったので、「高橋優の新しいアルバム」という意識で聴いた初めての作品は「この声」になる。だからそのリード曲だった "気ままラブソング" には思い入れが強いなぁ。

『明日には明日の風が吹くんだって有名な言葉に学ぶなら 今日は今日の風を存分に感じなくちゃ』って歌詞がめっちゃ好き。

あと "君の背景" は『抱きしめ合えば 君が背にした 背景を見渡せる その反対側を 君も見てたら 360°の世界』という歌詞が好き。発想が天才のそれ。

君の背景

君の背景

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

今回のツアー、各公演で全然セトリが違うという噂を聞いていた。恐らく、映像が準備されてる曲以外は全部入れ替えてるんじゃないかなと。ここの4曲では "靴紐" だけスクリーンに映像が流れてたので、逆に他の3曲は神戸限定だったんじゃないかなと思ってる。知らんけど。

 

2回目のMCコーナーでは始めにバンドメンバーを紹介。高橋優のツアーではおなじみのメンツ。以前に書いた好きなベーシスト特集で紹介した小島剛広さんももちろん参加。

今回のステージにはバーのカウンターを模したセットが設営されていた。優さんに紹介されたメンバー達は順番に椅子に腰掛け、その後の優さんのMCを見守ってた。

この日のMCの主役は間違いなくバイオリンの須磨さんやったな。優さん「年末の名古屋公演で須磨さんが一緒にスターウォーズ観に行く約束してくれたのに昨日神戸に着いてから一人で観にいこうとした」って話で20分ぐらい喋ってたw 途中ヒートアップしてわけ分からんくなってきて、神戸って言うべきところを名古屋って言い間違えて客席から野次飛ばされてた笑

 

MC後は優さんもバーのカウンターに腰掛けて、アコースティックセッション。はっちゃんはキーボードからアコーディオンへ。池窪さんもギターからマンドリンウクレレかそんな感じのやつへ。小島さんは何やっけあれ。ウッドベースとかコントラバスとかの系統の一番小さいやつ。名前忘れた。

"がんばれ細野さん" というこれまたコアなカップリング曲を。ライブで聴くの初めてや。スクリーンに、歌詞のストーリーに沿ったドラマ仕立ての映像が流れた。細野さん役の人、チャンカワイやった笑

で、結論、ちょっと泣きました。いや泣くって。曲だけで泣いた事あるのに映像なんかつけられたら泣くって。チャンカワイだろうが泣いてまうやろ。ほんま、素朴やけど暖かくていい歌なんよ。

がんばれ細野さん

がんばれ細野さん

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

音源ではアコギとバイオリンしか使われてないから、フルセットの演奏でアレンジされてたのも余計感動した。

 

からの、またカップリング曲 "なくしもの"。チームしゃちほこに提供した曲のセルフカバー。後からTEAM SHACHIにハマった俺としては余計嬉しい。しゃちほこが歌ってても高橋優の曲やったのに本人が歌ったらもう完全に高橋優の曲。

この2曲でアコースティックコーナーは終わり。一旦暗転し、再び照明がついたら各メンバーが元の位置に戻ってた。バンドセット再開一発目は真っ赤な照明の中で "CANDY"。かっこよかった。

みんな手拍子してたけど、あれは客席がレスポンスを返す曲ではないような…笑

その次に演った "BEAUTIFUL" はスクリーン映像が流れてたから多分全公演共通。

 

からの、期待してた新曲 "アスファルトのワニ" を演ってくれた。YouTubeに上がってるのはワンコーラスなので、フルで聴くのは完全に初めて。めっちゃ良い曲やった。

https://www.youtube.com/watch?v=xoCgvxrmbi8&feature=share

『四角い場所で四角になれず 丸い場所で丸になれなくていい』て歌詞が素晴らしいわ。発達障害への理解を深めるキャンペーンソングとして書き下ろしてるから「周りと違ってていい」「人に合わせられなくていい」みたいな意味合いなんやろうけど、すごいよ。こんなに誰にでも分かる単語だけで誰にも思いつかないフレーズを書けるのは高橋優だけやと思う。

 

ここまでで、優しい曲パートは終わり。終盤戦の盛り上げ曲パートが "(Where's) THE SILENT MAJORITY?" から始まった。

次の "高野豆腐〜どこか遠くへ〜" が完全にネタ曲。にもかかわらずめちゃめちゃ凝った映像流れるし、お客さんの合唱もすごいし。あの映像、色々版権大丈夫なんかってレベルで数多の作品のパロディがすごかったけど、マジでリリックビデオとしてYouTubeに上げてくれへんかな。めちゃくちゃおもろかった。

高野豆腐〜どこか遠くへ〜

高野豆腐〜どこか遠くへ〜

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

実はこの曲あんまり聴いてなかったんだよな… 高橋優のCDは基本的に実家にあるから最近の曲はそこまで聴き込めてなかったんだ…まさかこんな盛り上げ曲ポジションになるとは…悔しい。

こんだけ盛り上がったし、次に "明日はきっといい日になる" 演ったから、もう終わりかなと思ったけど全然終わりじゃなかった。ここに来て "象" でさらにぶち上げに来やがった!めちゃくちゃカッコいい。相変わらず2番Aメロのベースのスラップがえぐい。小島さんえぐい。遠くて見えにくかったけど、とにかくめちゃくちゃ手動いてた。

次の "頭ん中そればっかり" は、サビの『どこ見てんのよ!?』で大合唱。これまためちゃくちゃ凝った映像流してたし、こんなエロ枠曲で何やってんねん。大サビめちゃくちゃ引き伸ばしてたしな笑 何回『どこ見てんのよ!?』言わせんねんw

 

で、最後の泣きポイント、"虹"。泣かなかったけど。僕はこの曲はもう泣き飽きました。もう大丈夫です。2017年のリリース当時、研究室がしんどすぎてずっとボロボロで、この曲を泣かずに聴けたことがなかった。修論が一番佳境だった時期に息抜きでライブ行ったんですけどこの曲で泣きすぎて喋れなくなりました。だからもう大丈夫です。もう今後も泣きません。多分。

でも当然ながらこの曲自体に飽きたわけではもちろん無くて。やっぱり何度聴いても感動するし鳥肌やばい。ていうか優さんやっぱり音域広くなったよな?この曲のサビめちゃくちゃ高いのにすっごい伸びやかに届いてきた。ほんまにすごい。当分は一番好きな曲かも知れんな。

虹

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

この曲、2017年の甲子園テーマソングだったので、優さんが「兵庫県でこれを歌えるのは大きな意味があると思います」と言って拍手が起こってた。

多分一生言い続けると思うんですけど、2018年の甲子園で秋田の金足農業高校が大健闘したじゃないですか。優さん秋田出身やし、もし "虹" が2017じゃなくて2018年のテーマソングやったら更にめちゃくちゃ感動してたやろなぁって。多分一生言い続けると思う。

 

最後に新曲を演ってくれた。"one stroke" という曲。スクリーンに映ってた「free style stroke」の文字がいつのまにか「one stroke」に変わってた。

めっちゃ良い曲やった。割と明るめやったな。バンドアレンジも完全に仕上がってたから、下手したらレコーディングも既に出来てるんじゃなかろうか。音源化が楽しみ。

 

 

アンコールは再登場するや否や優さんがハーモニカを準備して、 "微笑みのリズム" から!この曲も好きなんよなぁ。「僕らの平成ロックンロール②」の中では一番好きかも。MVないの勿体無いなぁ。もっと知られてほしい。

微笑みのリズム

微笑みのリズム

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

で、ギターを置いたからまさかと思ったけど、やっぱり "泣ぐ子はいねが" きた笑 アンコールで演るとは思ってなかった。もうないと思ってた。やっぱ本人相当気に入ってんやろなw

スクリーンにオリンピックならぬ「U'LYMPIC 2020」と称して、なまはげのキャラが色んなスポーツをするカオスな映像も流れた。もうわけわからん。わけわからんけどめっちゃ楽しい。

ステージの端から端まで歩き回って客席の近くまで行ってた。最前の人にマイク向けて『泣ぐ子はいねが』を歌わせるのも鉄板。あれ一回やってみたいなー。最前席というだけで夢のような話やけど。

あとこの曲、いつのまにタオル回す曲になってたんやろ?前回の「STARTING OVER」ツアーだけ行ってないんやけどその時からかな?

 

最後の最後。正直「まぁラストは安定の "リーマンズロック" かな」と思ってた。過去2,3回行ったライブ全部そうやったから。

が、まさかの "明日への星"。まぁ最後の最後まで懐かしいところ突いてくる。

久々に聴いたわ。ええ曲やな。ほんますごいな。

ていうか、改めて見てみると高橋優のMV、ショートバージョン多いな…ワーナーでこういう事されるのは珍しいよな…まぁ皆さんせっかく解禁されたんでサブスクで聴いてください。全部いい曲なんで。

 

これで終わり。最後まで最高な空間やった。

ほんまに自由やったな。過去曲に焦点を当てるライブってこんなに楽しいんやな。やっぱり一番好きなアーティストやなと改めて。

何よりこの大きいホールが埋まってるのがすごいな。何だかんだめちゃくちゃ人気やな。ほんまに、いつまでも歌い続けてほしいなと思います。

 

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では(=゚ω゚)ノ

 

 

高橋優 free style stroke

1/12 神戸国際会館 こくさいホール

セットリスト

1. 駱駝 (弾き語り)
2. TOKYO DREAM
3. こどものうた
4. 靴紐
5. 君の背景
6. 気ままラブソング
7. 未だ見ぬ星座
8. がんばれ細野さん
9. なくしもの
10. CANDY
11. BEAUTIFUL
12. アスファルトのワニ
13. (Where's) THE SILENT MAJORITY?
14. 高野豆腐 〜どこか遠くへ〜
15. 明日はきっといい日になる
16. 象
17. 頭ん中そればっかり
18. 虹
19. one stroke (新曲)

en1. 微笑みのリズム
en2. 泣ぐ子はいねが
en3. 明日への星