たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

ガールズバンドを聴くきっかけになったねごとの最初で最後のライブ

1ヶ月のライブ数の最多を更新した6月の5本のライブのラストにして、5月半ばからの6週連続ライブのラスト。ねごとのワンマンに行ってきました!

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大学に入ってすぐぐらいの頃にめちゃくちゃ聴いてたねごと。ライブやフェスが趣味になる前にハマったから、逆に一回も観たことがなかった。ここ数年もずっと都合が悪くてライブに行く機会がなくて、フェスとかですら観たこともなくて、いつか観たい一度観たいと思い続けてるうちに解散が発表されてしまいました。

というわけで初めて観ることが叶いました。今回がラストツアー。逆によく取れたよチケット。

 

最近の曲、とりわけEDMに染まり始めてからの曲は詳しくなかったので、電車の中で聴いて予習しながら会場へ向かう。CDもフラゲとかするほどではなくなってたとは言えこまめに揃えてたけど、やっぱり聴いてるバンド・持ってるCDの数が増えすぎてそれぞれの曲を覚えられなくなってきたな、最近。覚えられないのは歳のせいもあるかも知れんけど。

会場は広島SECOND CRUTCH。6月の広島でのライブ、3本あって全部SECOND CRUTCHや。

もちろんチケットはソールドアウト。当然ながら先週のパスピエより全然ギチギチ。人の多さもやけどガールズバンドってことで大半が男性客だったので、体積的な意味でもかなり満員。

 

入場が完了するまでに時間がかかっていたっぽい雰囲気もあり、5分ほど押してた。ギターの音出しも割と直前までやってた。

照明が落ちるとBGMと一緒にメンバーが登場し、アイドルの現場かと思うほどの野太い歓声が上がる。

メンバーがスタンバイし、特に音出しや挨拶をすることなく、Vo. 蒼山幸子以下さっちゃんの弾き語りから始まった1曲目 "インストゥルメンタル"。

しっとり幕を開けたかと思えば「こんばんは、ねごとです!」とだけ挟み、歓声と拍手に被せるように "透き通る衝動" "DESTINY" "sharp #" とアップテンポな曲を立て続けに演奏。

その後も、4,5曲畳み掛けては挨拶程度のMCを挟んでまた演奏という、ひたすら曲を聴かせるスタイルやった。元々長々とMCをしないバンドなのか、ラストツアーということで楽曲を届けることに重きを置いているのか分からんけど、よく歌い続けられるなというほどにとにかく演奏。

よく歌い続けられるな、もやけど、さっちゃんの歌がめちゃくちゃ上手くなってた。デビュー当時や、それこそ閃光ライオットの時のライブ映像を観たことがあって、どちらかというと下手に入るレベルやと思った覚えがあったのにこの進化は何だ。CD音源しか聴けていなかった数年間でどんだけ洗練されてんだ。過去の曲も歌い方が違って聴こえて面白かったな。ちょっとクセが強くて尖った声を聴いてきた初期曲が、大人になった今のより透き通る声で歌われてて美しかった。

 

ずっとCDだけ聴いてきた身としては、さっちゃんの声が聴けるだけで十分やった。正直言うと全然見えなかった。ここ最近のライブで一番見えなかった。背の高い男性客が多かったからね。Gt.瑞紀さんは背が高いから辛うじて顔が見える程度。ギターソロで前に出てきたりなんてこともあんまりなかったな。Ba.佑さんは、下手側の前が女性子供専用エリアやったからまだ見えたけど、それでも手元までは見えなかった。ピック弾きか指弾きかも分からん。Dr.小夜子さんに至ってはスティックとシンバルしか見えなかった。MCでもアンコールで初めて喋った程度やったから、しれっと違う人が叩いてても分からんレベル。さっちゃんはハンドマイク曲になると前に出てきて台に乗ったりしてくれたから、割とお顔ははっきり見えた。でもキーボードを弾いてる時は全然見えなかった。

そんなレベルのライブでも楽しかった。演奏がどうとかアレンジがどうとかうだうだ語るんじゃなくて、シンプルに「ねごとのライブを観ている」ことを実感できた。音源だけ聴いてきたバンドを初めて観られたのもあって、「おぉ…ねごとや…本人や…」という、初めてライブに行き始めた時の感動もあった。矢継ぎ早に曲を演ってくれて嬉しかったし、新旧織り交ぜたセトリがこれまでの活動の集大成って感じがしてエモかった。

 

本編ラストが "アシンメトリ" ってのも感動したな。思うところがあった。個人的にねごとから少し離れ始めたのがこの頃やった。

当時、さっちゃんがキーボードを手放したのが気に入らなかった覚えがある。ちょうどいろんなライブに行き始めて、バンドスタイルこそ至高と思っちゃってた自分にはエレクトロ要素が受け入れられなかったのかな。あと新しいスタイルに挑戦したにもかかわらずシルエットで顔が見えないMVにも不満があったような気がする。

今となっては後悔してる。めちゃくちゃカッコいいやん。これを機に何でも出来るバンドになってたんだよ、ねごとは。何で他のバンドに浮気してたんやろう。

色々考えて聴いてたら鳥肌止まらんかった。さっちゃん、MVにも登場するデバイスみたいなやつ実際に持ってたな。カッコよかった。

良いライブやった。楽しかった。

 

アンコールではメンバー全員喋ってくれた。酒好きなさっちゃんが「雨後の月」という広島の日本酒をすごく好きだとか、"ドリーミードライバー" は広島で書いた曲なんだとか、小夜子さんが広島のホテルでヘアアイロンで火傷した話とか() まぁ広島の思い出をいっぱい語ってもらったところで俺が広島来たの去年やし、俺が今まで行けなかったのは関西にいた頃の大阪のライブなんやけども。

アンコールで最後に代表曲 "カロン" を演ってくれた。

まさかラストツアーでカロン外しをしてくるのかと思いながら2時間観てきたが、最後の最後に。やっぱりねごとと言えば世間のイメージとしてもこの曲だよね。当時auLISMOのCMソングに選ばれたこの曲、今やLISMOって言葉自体が懐かしい。色々昔を思い出すこともあって、終始エモみを感じながら盛り上がってました。

もっかい言う。ほんまに良いライブやった。

 

物販ではタオルを購入(先行で買ってたけど)。

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もうライブは無いのかも知れんけど、タオルやったら普段でも使えるよね。

あとCDも。通常盤を持ってた「ETERNALBEAT」の初回盤を。

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目当ては会場購入特典のポストカードです。もう次の機会は来ないかもしれない。

 

最初で最後のライブになったな。最後に観られてよかったな。本当に応援してきたファンにとっては俺も「解散するなら最後に観ておこう」勢の一人なのかも知れない。間違ってないです。

でも、初めてハマったガールズバンドの一つであることは間違いない。その事実は消えない。ねごとがいなかったら、女性ボーカルのアーティストを聴くことなんかなかったんじゃないかな。まぁ流石にそこからアイドルにまで手出すとは思わんかったけどな。

とはいえ、そう考えるとねごとは俺の聴く音楽の幅を広げてくれたバンドなのかも知れない。大学時代前半ぐらいまでに聴いていたバンドがみんな解散していく。シンプルに時代の流れなのかな。でも、今の俺が色んなジャンルのバンドを聴けているのは間違いなくその辺の影響を受けている。あの頃に出会えていたバンドはみんないつまでも好きでいられる自信があるよ。もちろんねごとも。

解散することについてMCで触れる場面もあって、さっちゃんが「ねごとの音楽は残るから」と言っていた。その通りです。これからも聴き続けていきますよ。一時期熱量が冷めてたこと詫びさせてくださいね。あの時期の分まで聴いていきますからね。

 

さっちゃんは音楽活動を続けると言っている。またどこかでさっちゃんのキラキラした歌が聴ける日を待っています。

では(=゚ω゚)ノ

 

ねごと お口ポカーン!LAST TOUR 〜寝ても覚めてもねごとじゃナイト〜

6/22 広島SECOND CRUTCH

セットリスト

1. インストゥルメンタル
2. 透き通る衝動
3. DESTINY
4. sharp #
5. ループ
6. greatwall
7. 透明な魚
8. トレモロ
9. ふわりのこと
10. シリウス
11. シンクロマニカ
12. 君の夢
13. Fall Down
14. 水中都市
15. メルシールー
16. シグナル
17. nameless
18. 憧憬
19. ETERNALBEAT
20. endless
21. LAST SCENE
22. アシンメトリ

en1. 雨
en2. 彗星シロップ
en3. カロン