たなさと

バンドを語りたい、ただそれだけ。CDレビューやライブレポなどもするので一応ネタバレ注意

みんなちゃんとTHURSDAY'S YOUTH知ってる?

THURSDAY'S YOUTHというバンドを知っていますか。知らん?

じゃあ、Suck a Stew Dryというバンドを知っていますか。字面は見たことある?

 

5人組のバンドSuck a Stew Dryがメンバー脱退の後に活動休止し、残った4人で再開したバンド、それがTHURSDAY'S YOUTHです。

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一見するとただの改名に見えるけど、彼らの場合は完全に別バンドとしての再始動である。サーズのライブではサック時代の曲は一切演奏していない。

 

Suck a Stew Dryは知ってる人多いんじゃないかな。2014〜2015年辺りに普通に勢いあったと思うんです。

少なくとも僕が2015年に一番ハマっていた年間ベストバンドは間違いなくサックである。2014年、グドモのコンピで "世界に一人ぼっち" を聴いて「あれ?めっちゃ良くない?」てなってたところにタイミングよくフルアルバム「ジブンセンキ」がリリースされ、リード曲 "僕らの自分戦争" がマジで一発で刺さった。

今でも本当に好きだよ、この2曲。

 

ワンマンこそ行けなかったけど、2015年のRUSH BALLのATMCステージで観てほんまにかっこよかった。

インストアイベントでVo.篠山さんと話す時に緊張しすぎて謎に身長聞いたのを今でも覚えてる。182cmですって。羨ましい。

 

その後ハイペースにリリースもツアーも行うも、2016年にGt.フセタツアキさんが脱退し、それに伴いそのまま活動休止。

正直ね、泣きました。好きなバンドが解散や休止する時、そのバンドに対してなんだかんだ新譜を毎回買うほどではなくなってたり貢ぐ熱量が多少下がってたりするんやけど、ここまでリアルタイムで好きなバンドが足を止めるのは初めてやった。

(今年に入ってヒトリエが大きくそれを塗り替えていったが。)

 

だから、THURSDAY'S YOUTHとして活動再開した時はほんまに嬉しかった。活動再開ってこんなに嬉しいんやと思った。

が。

THURSDAY'S YOUTHになった途端いくらなんでも知名度下がりすぎじゃないか???

 

サック時代に比べて明らかにMVの再生回数も伸びてなさすぎるし、出演するイベントも自主製作レベルのインディーズバンドがメインのサーキットとかが多くなってて、どんどん規模が縮小している。ラシュボのみならずロッキンやCDJにも出演していたバンドが前身になっているとは思えない。

楽曲のクオリティが落ちているとは全く思わない。ギターが一人減ったけど、むしろ演奏はシンプルになって洗練された感あるし、篠山さんの歌声もサック時代の一時期と比べるとクセがなくなってカッコよくなってる。

歌詞の世界観も健在である。基本的に暗くて後ろ向きだが、自身はその中に希望を見つけようとしている。一方で他人(聴き手)には無理に自分を変えさせたり前を向かせたりしないでいてくれる。キャッチーなメロディは少し減ったように思うが、それも歌詞を引き立てている。然る時に聴くと、本当に自分が求めているのはこういう歌だと思える。

強いて言うならやっぱり曲調かな。フェスに出だした頃からどんどん明るい曲が増えていった。そこが界隈には受けていたのかも知れんし、実際俺も最初はそこに惹かれた。でも、4つ打ちの分かりやすいリズムとか、鋭いギターリフとか、そういったものはほとんどなくなった。初期の曲を聴くと、「あぁ、この頃にやりたかった事を今THURSDAY'S YOUTHでやってるんだろうな」と思うし、それが上述のフェス層には向かないのも正直分かる。ヤバTのように盛り上げてはくれないし、sumikaのように幸せな気分にもさせてくれない。

 

とは言え、もう本当に、「Suck a Stew Dryが改名して活動再開した」という事実が単純に知られていないんじゃないかと思う。2014〜2016年辺りにサックをフェスやイベントで観て良いなと思った人たちが、曲単位で気に入っていた人たちが、サーズの存在に気づいていないんじゃないか。いやさっきも言ったようにね、そう言った人たちが今のサーズを聴いて良いと思うかは怪しいんや。でも大半のリスナーがそもそも出会ってすらないと思うんや。出会ったうえでやっぱりダメだった人はヤバTとsumika聴いといてください。

 

有名どころのイベントに出なくなったり、極端にリスナーの耳に届かなくなったりしている理由としては、やっぱりサック時代の曲を全く演らなくなったのが大きいのかなぁ。例えば、[ALEXANDROS]も改名以降[Champagne]時代の曲を一切演らなくなってたら、今ほどの人気になってなかったと思うんです。まぁメンバー減ってもないし活動休止もしてないから事情が全く違う以上並列すんのもどうかと思うけど。

しかしそれでも篠山さんは度々ツイッターSuck a Stew Dryはもう演りたくないと言っている。一番勢いがあった2015年辺りの作品を振り返り、当時が一番音楽を辞めたかったとまで言っている。終盤の楽曲はあまり自分のやりたかったことではなく、事務所にやらされていたものだと思われる旨の発言も一時期は見られた。

確かにサックとしての最後のミニアルバム「Wake me up!」、フルアルバム「N/A」は初期に比べるとかなり明るい曲、激しい曲が増えていた。個人的には振り幅の大きさにも感動したしメロディの綺麗さも衰える気配無くて全曲好きやったんやけど、本人は納得いっていなかったようである。

 

それに比べると今は事務所も辞めてフリーになり、自分のやりたいことをできてる様子。最新のアルバム「Anachronism Pt. 1」を聴いてると、歌い方に無理がないと言うか、良い意味で力が抜けて気怠げな雰囲気が出ている。心地良い。

大衆に受ける楽曲でフェスに出るよりも、自分のやりたい音楽で細々と続けていくことを選んだのかも知れない。

それでも自分はもっと売れてほしいと思う。今のTHURSDAY'S YOUTHの楽曲が評価されるように聴き手側が変わってほしい。まずは知ってほしい。

 

Suck a Stew DryもTHURSDAY'S YOUTHも、良いバンドだよ。「どこが良いのか俺にもわかるように説明してくれ」と言う人がいたら、いつまでも説明してやる。

活動休止のイメージのままで止まってる人、迷わず聴いてみてください。もちろん、全く知らなかった人もこの機会に。

 

ちょうど今、新譜の制作にあたってクラウドファンディングで資金を集めているところ。下記のサイトから応募できるので、是非皆さんよろしくお願いします。

 

では(=゚ω゚)ノ